まるで読むことができてない

 まるで読むことができていないのは、図書館から借りている本でありまして、

2週間の期間で一度も中をのぞくこともなしで、また図書館に行って延長の

手続きをとることにです。

 これなら、合間に読むことができるだろうと思って借りた本もそうなので、これは

なんとかしなくてはです。ということで、本日は借り出し延長をした一冊を話題に

することにです。

 岸政彦さんのことを、この場で話題にした最初は2019年の「マンゴーと手榴弾

を図書館から借りて読んだ時でした。新しいスタイルの社会学の先生という感じで

小説家と研究者の二刀流でしたが、当方が抱く、それまでの社会学者のイメージと

はまるで違いましたからね。

 当方の世代にとっての社会学者のトップというのは、見田宗介真木悠介)であ

りまして、こちらは頭の良さがでまくりでしたからね。

それとくらべると、岸さんは、出身学校なども親しみを感じるものでありまして、その

研究手法も、これなら自分にもできるのではないかと思わせるものでありました。

これならば、自分にも参考になるのではと思ったのですね。まあ、勘違いでもあり

ますが。

「社会を質的に調査研究する、ということは、どういうことでしょうか。

 私達は、『現場』で暮らすごくわずかの人々と直接会ってお話をした経験をもとに、

そうした再現性も代表性もない『データ』から、社会というなにものかについて語ろ

うとしています。どうやって少数事例を一般化し、社会というもの、あるいは人々の

行為や相互行為というものについて語るのでしょうか。私たちは沖縄のヤンキー

たちの(暴力を含む)関係性から、戦後の沖縄社会の規範と構造と変動について

語ります。」

 その昔でありましたら、こんなの学問ではないといわれたであろうフィールドワー

クでありますが、いまは正統派ではないものの、異端という存在ではなくなってい

ます。

 その牽引役の一人はもちろん岸さんであり、そのチームに上間陽子さんや打越

正行さんがいることになりです。

 打越さんの「ヤンキーと地元」という本は、大変なインパクトで読み物としても

とっても興味深いのですが、こうした調査が、なんとか形になるにあたって費やされ

る大変な労力を知ると、学問に昇華させるのは、本当に大変であるなと知らされる

のでありました。