パンをつくりながら

 本日は月曜日ということで、パン作りの日となりです。本日は午前中に

焼き上げる必要があったので、仕込みは前日の夜に済ませておりました。

自家製天然酵母にすこしドライイーストを混ぜ、オーバーナイトで一次発酵

であります。

 今朝はまだすこし暗い6時に起きて、パン作業を開始することにです。待ち

時間が長いので、その間は小説を読んで過ごすことにしました。

本日手にした小説は、今月の「ちくま」で斎藤真理子さんが取り上げていた

ものです。

 先月に「ちくま」が届いたときに、斎藤真理子さんが紹介するこの本を

話題にしているのですが、そのときにこの小説は読まなくてはと、即刻

確保に動いたのです。今月の初めに手にすることができて、これはいつに

読むことができるのだろうと思ったのですが、思いのほか早くに順番が

まわってきました。まったく何を読むのかはタイミングであることです。

 この小説を取り上げている斎藤真理子さんの文章から、つまんで引用

することにします。

中薗英助は、日本ミステリー界で初めて長編国際スパイ小説を書いた人と

されている。『密航定期船』は1963年に書かれた。ここでの密航は韓国の

海岸から日本を目指すもので、1960年に韓国で起きた4・1革命とその

挫折が関係している。朴正煕大統領による軍事クーデターで民主化への夢

が立たれて日本へ政治亡命してきた革命家たち、それを支える在日コリアン

の知識人や実業家、密航ブローカー、済州島出身の海女、徴兵忌避で韓国

を出ようとする少年、そしてスパイたちが束になって暗躍する。」

 1963年発表の小説ですから、もう60年前のものとなりますが、韓国に

今も通底する問題が描かれています。韓国の保守派と、それの反対勢力と

いうのは、今回の大統領が発した戒厳令(軍事クーデターの時代には普通

であったこと)とか、戦後賠償をめぐる対日政策にもみてとることができます。

 この小説が発表されてから10年後に東京で金大中さん事件というのが

発生するのでありますから、当方などにはほんのちょっと前まで、韓国は軍事

政権が続いていたと思うことです。

 1963年といえば、東京オリンピックの前でありまして、まだ東海道新幹線

開通していないのですが、この小説を読んでみると、東京から大阪、九州へと

移動するに非常に時間がかかっていることが、いまさらながら知ることであり

ます。

 そういえば、中薗英助さんの著作といえば、ずいぶん前に「鳥居龍蔵伝」を

確保しておって、積読になっていました。どこにあるのかなですが、ちょっと

探してみることにしますかな。