昨日に届いた「ちくま」2月号で文庫新刊をチェックすることにです。
以前でありましたら、「ちくま」ではじめてその月の新刊を知ったものです
が、最近はネットのほうが早くに情報が発せられます。当方はSNSで知った
ことを、紙の「ちくま」で確認することになります。
ということで、当方の2月文庫の目玉です。
昨年の「シベリア物語」に引き続いて、「鶴」というタイトルで長谷川四郎
さんの傑作集となります。「ちくま」の紹介文は、以下のとおりです。
「ソ連・満州国境の監視哨の兵士たちを静謐な抒情で描く『鶴』を表題作と
する短篇集にエッセイと中篇を加えたオリジナル編集版。戦後文学の名著
復刊。」
編者は、前作に引き続きで堀江敏幸さんとなります。どんなものが入って
いるのでしょうね。そういえば、ここに収録の中篇は、「デルスー時代」である
ようにどこかで見た記憶がありです。
当方は、70年代の初め頃から長谷川四郎さんの作品に親しむようになっ
たのですが、その時点では「シベリア物語」「鶴」はすでに入手困難な作品集
となっていました。
「シベリア物語」が旺文社文庫にはいって容易に手にすることができるよう
になったのが1974年でありまして、あのときは、旺文社文庫をありがたく
思いましたです。その次の文庫は、集英社文庫「鶴」でありまして、1978年の
ことです。
長谷川四郎さんにとって初めての文庫から50年たって、ちくま文庫に収録
されたことになります。こうしてまた何年か四郎さんの作品が流通するのが
うれしいことです。
それで「デルスー時代」であります。
四郎さんの小説は中期以降はどんどんシュールになっていくのですが、
そんななかで1975年8月号「文藝」に掲載された「デルスー時代」は、四郎
さんの作品にしては珍しく私小説の趣で、「嫁さん」が登場します。
当方がこの作品を好みなのは、そのせいであるのかもしれません。
「シベリア物語」「鶴」は戦地に赴いて、その後捕虜になった時の話になる
のですが、「デルスー時代」は満鉄時代の大陸での生活について書いていま
す。ちょうど「デルスー・ウザーラ」の翻訳に取り組んでいた頃のことでありま
して、それで「デルスー時代」となります。
これがちくま文庫「鶴」に収録というのは、さすが目利きの堀江さんでありま
して、楽しみに待つことにです。(「デルスー時代」収録されていなかったら、
どうしましょう。)

