ここのところひどい寒波でありまして、すでに2日以上真冬日で、最高気
温がプラスになりません。今朝は起きたら室内が冷え切っていて、あわてて
ストーブをつけたのですが、朝7時の気温はとうとうマイナス11.2度を記録
です。これは水道管が凍結しても不思議のない気温であります。
夜になって着込んであったかにして本を手にすることにです。
とりあえず、読むことができそうな佐久間文子さんの「美しい人」のページを
めくることにです。
まだ半分もページが進んでいないのですが、佐多稲子さんの小説などから
の引用もあって、これを参考に佐多さんの作品に入ることができればと思う
ことです。
当方は、どのくらい佐多さんの本を購入しているのだろうと、引用されている
作品を見て思うことです。「夏の栞」とか「年譜の行間」、「私の東京地図」は
ありますよ。この場で佐多さんを話題にしているのは、小沢信男さんの書いた
ものに触発されてであるようです。
たまたまパラパラとページをめくっていましたら、終わりに近い章に高杉
一郎さんの名前が登場です。これにはびっくりで、思わずこの章を先に読んで
しまうことにです。
「怒り」と題された章でありまして、「佐多稲子さんの「人生をふりかえると、
時折、自分の怒りを噴出させることがあってはっとさせられる」と始まります。
その怒りが向けられた相手として、一人は金子光晴がいて、もう一人とし
て、高杉一郎さんがあがっています。
ここで高杉一郎さんの名前がでていることにびっくりです。
「作家の高杉一郎との間では、さらに感情がこじれたやりとりがあった。
高杉の『往きて還りし兵の記憶』に、稲子の怒りに触れたいきさつが書かれて
いる。・・・
稲子の名前がでてくるのは、『懲罰大隊』に送られた高杉が、そこに集めら
れた旧日本軍の将校たちと文学談義をかわす場面である。」
佐久間さんは、これから「往きて還りし兵の記憶」の稲子に関わるくだりを
引用し、それに検証を加えるとともに、高杉さんの「極光のかげに」の該当部分
を初出の「人間」、目黒書店からの単行本、新潮文庫版と比較して、岩波文庫
版で、稲子に関わるくだりが加筆されていると書いています。
「岩波文庫版のあとがきに、高杉は『四十年まえに発表した原形のまま』とわ
ざわざ書いているが、じつはほかにも書き換えられた個所がある。」
高杉一郎さんについての本はあまりないのでありますが、その本では、この
加筆について言及しているでしょうか。
この加筆が稲子さんに不利なこともありまして、どうして高杉さんは、このよ
うな加筆をしたのかを佐久間さんは推測するのですが、まだ半分も読んでい
ないのに、この「怒り」という章を読むことができたのは、大収穫でありました。
高杉一郎さんの本を佐多稲子さんをキーワードにして読むと、まるで違う
印象を受けることです。


