本日はコレっ

 鮮魚で客をつかんでいる行きつけのスーパーの魚売り場には、その日の

イチオシ商品に「本日はコレっ」という札がはられています。それを買うのが

一番間違いないので、当方はその札を買い物の参考にしています。

 ということで、当方なりに「本日のコレっ」というのは、本日届いた新潮「波」

11月号の「編輯後記」であります。

 とりあえず、当方が反応した最後のくだりを引用することにです。

「新訳には旧訳にない附録つくのも嬉しく、例えばヴァレリードガ・ダンス・

デッサン』(岩波文庫)は図版も訳者あとがきも素敵な充実ぶり。これは吉田

健一訳『ドガに就て』の新訳ですが、吉田訳には誤訳がある、と山田稔さんに

言ったのは前田純敬(まえだすみのり)。ある箇所を『便所』でなく『一物』と

訳すべきだと主張したものの、前田さんの没後、山田さんが改めて調べると、

吉田訳で正しいと分かります。この探索を通じて亡き前田さんと和解するの

が名篇『前田純敬、声のお便り』。ところで、前田純敬をご存じですか?」

 最後のくだりだけを引用したのですが、最初からの流れで、山田稔さんの

前田純敬さんにつなげてくるのですから、これは驚きです。

これを見ましたら、前田純敬って誰だろうとなりますよね。とりあえずググって

みるかとやってみましたら、これが比較的情報が少なくて、めったないこと拙

ブログが上に来るのでした。 

 当方が山田稔さんの「マビヨン通りの店」を手にしてそれに収録されている

「前田純敬 声のお便り」を話題にしたのは2010年のことでありました。

「死者を立たしめよ」というのは富士正晴さんから、山田稔さんに受け継がれ

ている追悼の流儀となります。

随分と前の記事なものですから、どんなことを記しているのか、すっかり忘れて

おりましたが、ずいぶんと山田さんの文章から引用していますので、今回は

繰り返さないことにです。

vzf12576.hatenablog.com 山田稔さんは、前田純敬さんの小説を取り寄せて読んで、それの感想を

展開するのでありますが、当方は、その後もまったく未読であります。

どこかで読むことができそうですので、これを機にかな。

 山田稔さんの文中には坪内祐三さんが「『夏草』の作家」という題で追悼

文を書いているとあって、そういえば、これも未見です。「エンタクシー5号」

とのこと。

夏草

夏草

Amazon