本の山を崩す

 本日は衆議院議員選挙投票日でありますが、当方は数日前に期日前で

投票を済ませておりまして、本日は朝からパン作りとなりました。本日も

山型プレーンとレーズンの二本でありまして、天然酵母にすこしドライイースト

をまぜてのハイブリッドパンとなりです。

 昨日に再放送となった「京都人の密やかな愉しみ」をみておりましたら、

これの登場人物であるレストランの女性主人が、自分の店で焼いたパンド

カンパーニュを提供するのですが、これは天然酵母にすこしドライイースト

加えて作ったのというようなことを話していて、それでいいのだなと思った

ことです。 

 自家製の天然酵母はあがりがよかったり、うまくいかなかったりと安定せ

ずでありますので、むしろちょっとイーストの力を借りたほうが、安定して、時間

のコントロールもうまくいきます。天然酵母パンの原理主義ではなくて、柔軟に

やったほうが長続きするようであります。

 昨晩には、小沢信男さんの「暗き世に爆ぜ」がすぐにでてこなくて、これは

いよいよ焼きがまわったなと、本の山を崩しながら探しておりました。もともと

所定の場所があって、そこを見たらなかったので、ちょっとあせったものです。

一晩たって探してみましたら、所定の棚の後ろの方にささっていて、その前に

あった本が邪魔してみえなかったものです。これはよかったこと。

これを機に棚も床も、すこし整理をしなくてはです。

 昨日に購入した「谷根千文学傑作選」に収録の「上野」という小沢さんの

文章を確認してみましたら、これは2007年4月号の「東京人」でありまして、

その時の題は「小沢信男さんが案内する上野の坂道」というものでした。

 2007年というと、すでに坪内さんは「東京人」を離れているのですが、小沢

さんは「東京人」との付き合いが続いていましたです。

 小沢さんと「東京人」というとそういえば、その昔のTV番組『鉄腕ダッシュ」で

「東京人」編集部から谷中小沢信男宅に、ゲラを届けるのに、自転車とFAXで

はどちらが早いかという企画がありまして、これを見たことがありました。

録画することもなしでしたが、小沢さんがバラエティに顔をだした貴重なもの

でありましたこと。

vzf12576.hatenablog.com 「暗き世に爆ぜ」で「上野」の次におかれている文章は、東京の町名変更に

異議を唱えるものですが、次のようになりです。

明治新政府は、まず大区小区制を布いたが数年にしてとりやめた。それは

そうでしょ、花の吉原が、大五区十二小区とはね。この極端な押しつけは、・・

徳川幕府への憎悪とコンプレックスが、近代化への一種の文化革命を、

ごり押しに推進する原動力にもなったとみえます。以来約百四十年、東京は

一貫して新開地です。・・・

 江戸開府からなら四百年、そろそろ東京を憎むばかりではなくて、愛情を

もつ政治家や役人を、養成する方法はないものか、あぁそうか、有権者

われわれ自身の問題か。」

 小沢さんに言わせると地方創生というのであれば、新開地ではないかって

の東京も残しておくれということになるのでしょう。