勉強になることで

 斎藤真理子さんの「在日コリアン翻訳者の群像」(編集グループSURE刊)

を読みついでいます。SUREの黒川創さん、歴史研究者水野直樹さんなどを

聞き手として、斎藤真理子さんが質問に答えながら、日本での朝鮮文学の

翻訳史について語るというものです。

 朝鮮半島の政治情勢とその上にのっかっている文学者たちであります。

知らないことがたくさんで、非常に勉強になります。当方などは、やっと最近に

なって韓国の小説を読んだのでありますからして、死ぬ前になんとか間に合っ

たというところであります。

 当方が比較的なじんでいると思っていた作家さんに、このような活動があっ

たのかとちょっと驚いたことであり。斎藤さんの発言をつまんで紹介すると、次の

ようになります。

「韓国の文学を紹介するためだけに1975年に創刊された文芸誌で『韓国文藝』

という雑誌があったんです。全部で17冊でているはずです。お金はむちゃくちゃ

使ったと思う。創刊号のときは、文学賞をもうけています。在日韓国人を中心に

新作を募り、賞金50万円、みたいな。誰かが受賞した形跡はないんですが、

でも、そういう人がいたらお金を出す覚悟だったらしいから、すごいと思うのです。

 これの編集人だったのが、映画監督のホン・サンスのお母さんで、全玉淑とい

う人。」

 これに黒川さんが「作家の古山高麗雄さんが編集に関わっていたと聞きまし

た。」とつけています。

 このあとに、古山さんは、このアンソロジーの編者になるのですが、それを斎藤

さんは、次のように言っています。

「さっき名前の出た古山高麗雄さんが編者をつとめた『韓国現代文学13人集』

(1981年、新潮社)という本がありますが、これは雑誌『韓国文藝』に出たものか

ら選りすぐって、古山さんが解説を書いた。でも翻訳者名は一人もでていないん

です。」

 古山高麗雄さんでありますので、このような仕事をしていても、不思議でもなん

でもないのですが、これは知りませんでした。古山さんのエッセイ集とか評伝を

見ていて、見逃したのかな。

 古山さんは1979年に「季刊藝術社」を退社してフリーとなっていますので、その

時の仕事となりますね。作品集では「身世打鈴」を出した頃のことでありました。

ちょっと、古山さんのエッセイ集で確認してみることにいたしましょう。

 という具合で、斎藤真理子さんの「在日コリアン翻訳者の群像」はとても勉強

になるのです。

編集グループSUREの本  斎藤真理子 在日コリアン翻訳者の群像