本日は予定なしの一日となりましたので、食材の買いもの以外は、終日自宅に
いることにです。
お天気がよろしくなって、日中は部屋のストーブを消しても過ごすことができ
ましたので、このあったかさであれば、なんとかドロドロになった車の水洗いが
できるかなと、バケツに水をいれてスポンジで車を洗うことになりです。
車もおひさんがあたっているところはいいのですが、日陰のところは水を含んだ
スポンジで拭った片端から、薄っすら凍っていくことです。それでも、ドロドロで
あるよりはよろしいかです。
雪でも降りましたら、そのあとに車で走りますと、またドロドロになるのですが、
しばらくは雪はいりませんですね。
そのほかは、うとうととしながら本を手にすることになりです。
本日に読んでいましたのは団鬼六さん「死んでたまるか」ちくま文庫でありました。
読んでいると、とっても読みやすいのであっという間に読み終えそうですが、
まだ読んでいました。
団鬼六さんも文章が上手で読ませるのですよね。団さんの読者たちは、がまんし
て文章を読む人ばかりではないのですから、どのようにして読み続けさせるかに
ついて意識しないわけにはいかないですよね。
最近の若い人を意識した小説のように、会話体であったり、センテンスを短くす
るなんてことはなく、あくまでも正攻法の文体です。
エロチックな内容の文章を書く作家さんは、表現がうまくなくてはです。この
本には食べ物についての記述や、植物についてのところにそれがみてとれます。
「彼の家で見た牡丹の花が妙に眼の前にちらつくようになった。夕方、彼は懐中電
灯で庭の牡丹を照らし、私に得意げに見せてくれたものだが、淡い光波にうつし
出された牡丹の花は夕闇の中から朦朧としてその幽艶な花弁を浮き立たせていた。
しかし、別に手を触れるのでもないのにその重そうな花弁はあちら、こちらで
ポタリ、ポタリと黒い土の上にゆっくりではあるが、絶え間なく落下していくので
ある。」
ほんと、これに収録の文章は、どれもよろしで、フグをたべるのも、吉野家で
食するのも違うのは支払いの金額だけで、どちらも奇妙にエロチックにおいしそ
うなのでありました。