そういえば図書館から借りている本に、次のものがありましたです。
鹿島茂さんの「稀書探訪」平凡社でありまして、これは全日空の機内誌「翼の
王国」に連載したものをまとめたものなのだそうです。思いのほか連載が続いて
144回になったとあります。
当方はほとんどLCCしか利用しませんので、この連載が掲載された「翼の王国」
を手にしたことはありません。そういうことからは、このようにまとまって書籍
になったのは歓迎でありますね。
巻頭に「はじめに」という文章が掲載されているのですが、これがえらく文字
が小さくて、ほとんど読まんでもいいよといわんばかりであります。
研究のためにということで「19世紀パリに関する資料」を集め始めたのが40年
ほど前で、その沼にはまってしまい、とんでもない借金を抱えて、その返済のため
にせっせと文章を書いて、自己破産を逃れることができたというのは、「子ども
より本が大事と思いたい」などに書かれている話であります。
すこし借金も減って落ち着きを見せてきたときに、この連載を引き受けて、また
また稀書を購入せざるを得なくなったというのが、今回の本の背景でありますね
それにしてもより良いコレクションを作るのは、ほんとにひどく大変なことで
ありまして、親の遺産で遊んで暮らすことのできない人は、コレクターになろうと
しないほうがよろしいですね。
この「稀書探訪」は、収集した本を見てもらおうというのが趣旨ですので、本の
写真は大きく、鹿島さんのコメントは小さな文字であります。読まんで見て楽しん
でというありがたい本であります。