本日は小雨の中、一昨年にオープンした「民族共生象徴空間 ウポポイ」へと
足を運ぶことになりです。隣町にできた施設ですし、何度も足を運んでいても不思
議ではないのですが、コロナのために休館であったり、なんとなく足を運べずに
ここまできておりました。
今回は特別展が開催されていて、それが明日までということもあって、あわてて
行くことになったものです。
「民族共生象徴空間 ウポポイ」というのは、一種のテーマパークでありまして、
なかには国立博物館、体験交流ホール、伝統的なコタンの復元、レストランなどが
ありまして、一応入場料金を払いますと、それらを楽しむことができ、特別展の見
物にはさらに料金がかかることになりです。
今回の特別展は「知里真志保」でありまして、あちこちの関連施設で小出しにさ
れている知里真志保に関するものを集大成して、業績を紹介する良い企画であって、
とても学ぶところの多いものでありました。
1909年に幌別(今の登別市)で生まれた知里真志保さんは、「アイヌの口承文芸
の伝承に優れた家族」の一員であったわけですが、子どものころから語学の才能が
あって、成績が優秀であったことから、支援を受けて室蘭中学から旧制一高、東京
帝大へと進んだ当時の知的エリートであります。
とはいっても、それで世の中をわたっていけるほど、当時の社会は開けてなく、
差別と偏見にさらされながら、その才能を認めた人たちのバックアップを受けて
言語学の研究を続けていくことになります。
知里さんが亡くなってすでに60年を経過するのでありますが、やはり傑出した
存在でありまして、当事者研究として、この山を超える人はなかなか出てこないこ
とであります。