図書館から借りてくる時には、手にとってなかをぱらぱらとめくってやろうと
思うのでありますが、借りただけで安心してしまい、その後は手にすることもな
いままに返すことになるなんてことがありです。なんともはやです。
そうならないために、この場で話題にするのでありますね。
今借りているもので、手にもしないで終わりそうな一冊を、本日は話題にする
ことにです。
どこかで名前くらいは目にしているであろう左川ちかさんでありますが、まった
く知るところがなしであります。1911(明治44)年北海道余市のお生まれとのこと
で、伊藤整に関わりがあった詩人だそうです。
北海道出身の詩人ですから、名前がはいっていても不思議ではないのですが、
これまでは左川ちかさんの作品を目にする機会はありませんでした。
それが、まさか没後86年となって、その無名詩人の全集が刊行されるのですか
ら、世の中わからないものであります。
これがでることになったのは、若い研究者 島田龍さんの力が大きいですね。
まさに左川ちか全集でありまして、作品・書簡を集め、解題し、解説を書くとい
う形で、それこそどこぞの没後弟子も真っ青の入れ込みようであります。
それにしても、こういう本を出版する版元も立派でありますね。