読み切りがよろし

 本日に野暮用から戻りましたら、「ちくま」と「波」が届いておりました。

すこし前までであれば、「ちくま」は25日くらいに届いたのですが、これが

本日になるというのは郵便事情によるものでしょうか。このようなPR誌は郵便

で届くものが多いのですが、サービスがよろしくなくて値段が高いとなると、

他の配送会社に変わらないのかな。(そういえば、宅配会社のメール便という

もののほうも、サービス内容が変わったのだったかな。)

 それはさて、これらを手にして新刊案内をみて、気になるものに目を通すこ

とになりです。

 「波」に関していえば、編集後記と北村薫さんの「本の小説」となります。

北村さんのものは、何回かの続きものとなることもあるのですが、そうなりま

すと、次号が来たころには、前回に記されていたことをほとんど忘れてしまう

ので、やはり短編は、読み切りがよろしいようです。

 今回は12ページの一挙掲載でありまして、読み応えがありです。

今月のタイトルは「不思議な島」というもので、神保町の店先の平台にならんで

いたDVDの「猟奇島」(「幻の洋画劇場」というシリーズのもの)というものを

手にしたことから、話題がつながっていきます。

 これの連想の妙を楽しむことになるのですが、「猟奇」という言葉からどのよ

うなイメージを抱くかと、その映画とはいったいどういうものの映画化であるか

というのが語られていきます。

 ミステリ小説のタイトルが話題になりますので、当方はまるで明るくないので

ありますが、ミステリファンには、熱心な方が多いので、こういう展開には違和感

がないのでありますね。

 北村さんの文章に、「なんでも知っている戸川安宣さんにメール」するという

くだりがあるのですが、戸川さんからの返信を見ての反応であります。

「これはねえ、わたしが無知なのではない。観ている方が異常ですよ。」

 北村さんが舌を巻く、おそろしい世界を覗き見する感じであります。