あらまなんとかしなくては

 週明けには11月に入るということで、「ちくま」「図書」「波」などが

届いています。今年もあと60日ほどでありますか、これからあわただしくな

りそうであります。

 年内にあれこれとやっておかなくてはいけないことを確認でありますが、その

なかには積ん読となっている本もありです。どちらかというと買った本のよう

が積まれていまして、これはよろしくありません。

 そんなことを思っていましたら、「図書」の巻頭に置かれている「読む人・

書く人・作る人」に落合勝人さんが登場して、次のように書いているではない

ですか。

「本欄『読む人・書く人・作る人」の命名者は、林達夫だという。20世紀を

日本を代表する知識人である彼は、『読む人・書く人・作る人」であると同時

に、一流の編集者、『作る人』でもあった。

 現役の編集者である私は、この人物に興味を抱き、『林達夫 編集の精神』

に収まる論考を、すこしずつ書き進めていた。ある時、四方田犬彦さんにその

ことを明かすと、食事会の折に、新聞紙に包んだ数本の挿し木を持ってきて

くださった。

 ミルテ(ギンバイカ)だという。元々は林達夫の自宅の庭に植わっていた。」

 「読む人・書く人・作る人」の名付け親が林達夫さんであるというのは、いわ

れてみれば、なるほどであるのですが、このことはどこかで明かされていたのか

な、初めて聞くようにも思えないのですが。

 昨日に引き続きで、四方田犬彦さんが登場であります。思いもかけずに林達夫

さんにつながる挿し木のことです。その昔の四方田さんはあちこちを転々として

いたようなイメージがあって、花を育てるという感じではなかったのですが、年

齢を重ねて暮らし方が変わったでしょうか。

 それはそうとして、今月の「図書」編集後記「こぼればなし」は、この「読む人

・書く人・作る人」というコラムに関して書かれていて、これを見ましたら、久野

収さんが「林達夫さんの命名」といっているのだそうです。なるほど、久野さんと

いえば「思想のドラマツルギー」で一緒でありまして、久野さんがいうのであれば

ということになりますね。

 「図書」11月号は巻頭と巻末で林達夫さんが話題になっておりまして、これは

落合さんの本を読んでしまわなくてはですね。