夏の家の客人たちがそろって外出している間、当方は一人で留守番をする
ことになりです。本日はちょうど大手通販会社に注文をしてあった本が届く
日でありまして、これを無事に受け取ることができたのは良かったことです。
本日に届いた二冊の本は、どちらも岩波書店のもので、しかも他社の編集者
が著者となっているものです。
一冊はみすず書房の加藤敬事さんで、もう一つは集英社の落合勝人さんであ
りました。
加藤さんのものはパラパラとなかをめくって取り上げられている人名などを
チェックしておりました。長谷川四郎、高杉一郎などにはいかにもと思いまし
たが、山口昌男さんの名前には、ちょっと意外感がありました。
今月の岩波「図書」のこぼればなしには加藤さんの、この本のことが話題と
なっていたのですが、そこにはこの本が刊行となるまえに著者は亡くなったと
ありました。
そういえば、加藤さんのあとがき2021年1月の日付のものには、「この本の
もととなる原稿を渡して間もなく、思いもよらず『舌ガン』に侵されている
ことが分かった。その宣告を受けながら、気持ちが定まるのを感じた。」と
ありますので、文字通りの遺著でありますね。
加藤さんのあとがき、上に引用したのに続いては、次のようにあります。
「最初に(岩波編集者の)小田野さんから私のインタビューを取りたいとの
話があって、東京駅ステーションホテルのレストラン、カメリアで、集英社の
落合勝人さん、明治学院大学の趙星銀さんとともに二度ほどお会いした。
その後、新型コロナウィルスの蔓延で立ち消えになり、内心ほっとすると
同時に、一方では申し訳ないと思い、外出自粛を期にこの回想を書き始めた。」
この加藤さんの本が生まれるときに、落合さんも立ち会っていたのか。
本日にこの二冊の本が届いたというのは、そうした縁でつながっていたから
でありますか。