わかりそうでわからない

 このところ楽しみに見ている番組に「昭和の車といつまでも」というのがあり

ます。30年以上にわたって一台の車に乗っているオーナーさんを探して訪ねると

いうものですが、探し出すまでの過程とその車のオーナーさんに会って、愛車に

ついての話を聞かせてもらうというのが番組の枠組みとなります。(先日に

NHKBSでもパイロット番組で廃番となった車を探し出すという企画を何度か

やってましたが、あれはレギュラーをとれるでしょうかね。横山剣さんと、

スズキさんが出演していたのですが。)

 30年以上にわたって一台の車を乗り続けるというのは、そうした人があまり

いないことでもわかりますように相当に大変なことであります。(これが自転車

でありましたら、まるで珍しくはないのですが)

そのような方々は、車のコレクターであったり、その車に強い思い入れのある人

たちであるのですが、自転車とかを保有し続けるのとくらべると、相応にお金も

かかりますことから、単に情熱だけではできないことです。

 それにしても、これに登場するオーナーさんたちのユニークなことでありまし

て、その人となりを知るだけでも楽しいことです。

 先日の番組ではシトロエン車のオーナーを探して、ほぼシトロエンの修理に特

化した工場を訪ねるのですが、そのときにかってのシトロエンのハイドロという

仕組みの奇妙さについての説明がされていました。

 そういえば、当方が若い頃に、面白がってこの車に乗っていた人がいましたが、

早々に手放したのでありました。

 番組に登場するオーナーさんは、ひどく保有するのが大変なシトロエン車とい

う沼にはまってしまったと語っておりました。ひどく手のかかるものほど保有

るのは楽しいということでしょうか。

 この番組を見ていました、最近に読んだ本にシトロエン車を購入したという話

がでていたなと思い出しました。

 昭和元(1926)年のことであります。

「先生ははじめて自動車を買った。フランスのシトロエンの小型で2700円であっ

た。」

 小林勇さんの「惜櫟荘主人」にありましたので、先生とは岩波茂雄のことに

なります。このくだりを目にして、あれこれと疑問がわくことです。

車はどこが販売(もしくは輸入)していたのか、車の型番はどうなのか、2700円

というのは、他の車とくらべてどうなのかなどなどです。

 このようなことを調べようと思って、すこし検索をかけてみたのですが、これ

がほとんどわからない。

 シトロエンの小型とありましたのは、どうやらB2という車のようであります

が、これはあたっているのかどうかです。