当方の住んでいる環境では、本屋では買えない本というのは、当方が欲しい
と思うもののほとんどであるのですが、このタイトルにあるのは、そういうこ
とではないのですね。
流通の都合で本屋さんには流れないというもので、最近当方の欲しい本には
この種のものが多いようです。もともと限定とか、ここでしか手に入らないと
いう言葉に弱いわたしでありますよ。
ということで、「本屋では買えない本」が紹介されていたのは本日に届いた
「本の雑誌」457号でありました。
筆者は「サイコドクター 風野春樹」さんとあります。この方の文章のさわ
りをすこし引用です。(すこし文章をアレンジしております。)
「2020年5月、コロナで二ヶ月遅れになったものの、広島市現代美術館で『式場
隆三郎・脳室反射鏡』と題された展覧会が始まった。・・展覧会はやがて新潟。
練馬へと巡回してきたので、私も練馬区美術館で見てきた。不思議なことがひと
つだけあった。美術展ではたいがい刊行される図録がなかったのである。
結局12月にすべての会期が終了しても図録は販売されず。どうやら新潟市美術館
で制作中らしいという噂だけが聞こえてきた。会期中に出ない図録など前代未聞
である。これはもう出ないんじゃないか。そんなふうに思っていた。
そして五ヶ月近くが過ぎた2021年4月、ようやく図録がでた。新潟市美術館に
直接注文をして購入したのだけれど、図録が届いた瞬間、ここまで遅れた理由を
理解したのである。」
詳しくは直接「本の雑誌」をご覧くださいですが、もちろんそれは凝りに凝っ
た作りになっているからというのはすぐに思いあたりますよね。
式場隆三郎さんという方が、マルチな才能の精神科医にして奇人であります
ので、その脳室反射鏡というのですから、よほどキテレツでありましょう。
これは面白そうで、欲しいなと強く思うのですが、図録というのはなかなか置き
場所に苦労するのですよね。
この図録のことを新潟市美術館のページで見ましたら2800円で送料900円と
ありました。公共の美術館ですから採算度外視でありまして、相当にお買い得
なものであることには違いありません。