「本の雑誌」6月号から

 先日に「本の雑誌」6月号 456号が届きました。

 今回の特集は「P+D BOOKSは宝の山だ!」というものです。このタイトル

を見てそのとおりという人は、かなり恵まれた本屋さんとの付き合いができ

ていることですね。

 「P+D BOOKS」というのは、小学館からでているペーパーバックのシリー

ズなのですが、これをおいている町の本屋さんというのはめったにないはず

でありまして、どのようなものがでているのかは、これのホームページをみ

なくてはわからないことです。

 当方がこのシリーズで買わなくてならないというものは、あまりないので

すが、これまで付き合ったことのなかった作者さんのものとか、なじんだ作

者のものを他の人にすすめるときには、重宝なシリーズとなります。

 この特集では、P+D BOOKSの既刊リストがついていますので、これがあり

がたいことで、これをみましたら、何冊か買わなくてはと思いました。

(とにかく安いのがありがたいです。講談社文芸文庫とくらべると半額以下の

定価でありますからね。)

 現実に存在する「P+D BOOKS」にならって、同じような感覚でシリーズもの

を出すことができないかという提案をクラフト・エヴィング商會が同じ特集で

行っています。題して「夢の叢書 H+Z BOOKS」となり、H+Zというのは

本の雑誌」のことで、本の雑誌さん、このようなBOOKSを出しませんかと

いうことのようです。

 クラフト・エヴィング商會さんは、これのタイトルだけでなく装幀まで完成

させていて、あとは形になるだけでありますが、この書影をみますと、これが

実現すればいいなと、ほんと思うことです。

すでに存在する「P+D」と、これから期待の「H+Z」でありますが、後者が

実現すれば、相当に話題になりそうです。

「P+D BOOKS」編集長へのインタビューで、「読者層は年配の方が中心ですか」

という問いかけに、次のように答えています。

「そうですね。三、四十代の方はビジネス書を読んだり、資格を得たり、漫画

を読んだりで、文芸はあまり読まないだろうなと当初から思ってました。

かって読もうと思った、もしくは読んだけどもう一回読みたいなという方、あ

とは学生さんや十代、二十代の若い方という両極端の層を想定してやっています。

ただ、現状はまだまだ年配の方が多い。」

 ということで、年配の読者は、まだまだ必要とされているということがわかり

ました。クラフト・エヴィング商會さんの「夢の叢書 H+Z BOOKS」は、かな

り渋い目のラインナップですぞ。

 「H+Z」のほうは、新書判を想定ということですから、これはデザインは別に

すれば、その昔に朝日出版社からでていた新書シリーズを思い出しました。

ちょっと趣旨は違うけど、いかにもパルプ・マガジンふうでありました。

本の雑誌456号2021年6月号

本の雑誌456号2021年6月号

  • 発売日: 2021/05/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)