たまたまなのかな

 年があけて図書館から借りている本の一部を入れ替えです。読むことができ

そうにないものは戻し、読めそうなものを借りるのですが、さっぱりページを

稼ぐことができていないことです。

 昨年に借りたパティ・スミスさんの「Mトレイン」は、ぱらぱらとページを

めくりますと、興味深いエピソードがあって、それをたどっていけばすぐにで

も読めそうなのですが、なかなか一筋縄ではいきませんですね。

 このようなところはいいのにな。

「最後の朝、私はドロテーンシュタ-ト墓地まで歩いて行った。・・ベルトルト

ブレヒトがどこに埋葬されているかが、すぐにわかる。・・気温は下がりつつ

あり、雪がちらちらと降っていた。私はブレヒトのお墓のまえにすわり、肝っ

玉母さんが娘の遺体を抱いて歌う子守唄をハミングした。雪の中で私はすわっ

ていた、戯曲を書くブレヒトを想像しながら。男が戦争を起こす。ひとりの母親

がそれから利益を得て、代償を自分の子どもたちの命で払う。かれらはボーリン

グのレーンの端っこのピンのように、一本ずつ倒れてゆく。」

Мトレイン

Мトレイン

 

 パティ・スミスさんは読書家でありまして、作中で村上春樹を話題にしたり、

太宰や芥川にも言及するのですが、訪問した国々でその土地にゆかりの作品が

話題となります。

 ブレヒトはもちろんドイツでの話ですが、イギリスへと行きますとTVで「心

理探偵フィッツ」というのを延々とみながら、「フロスト警部」ものなどを読む

ことになりです。

 ほんとちょっと苦戦しながらも、これはなんとか読み通さなくてはいけない

ですね。

 この本の他にも読めるのではないかと借りていて、手元に置いているのは、

ほぼすべて女性が書いたものであります。これって意識してのことではないと

思うのですが、それだけ女性の活躍が目立つということでしょうか。