今年亡くなった人

 先日の「徹子の部屋」は今年に亡くなった人の特集でありました。

その番組のことは、特に気にもしていなかったのですが、家人が録画して

くれて、そのなかに岩本多代(ますよ)さんが取り上げられていたよと

ありがたい話であります。

 当方は、ずいぶんと昔から岩本さんのファンであるのですが、どのような

ドラマにでていたのを記憶しているのかというと、皆目わからずでまったく

なさけないことです。

 今年になってナギサさんにでていたり(たぶん、この昨品が遺作のはず

です)、BSで「澪つくし」が再放送されたりで、これを見てその清楚な

美しさにうっとりとしていたのであります。

徹子の部屋」に出演したのはどうやら「澪つくし」の初回放送(1995年)

の時であったようです。

澪つくし」はジェームズ三木さんの脚本で、検索をかけましたらジェームズ

三木さんと岩本多代さんは、高校から俳優座養成所を通じて先輩後輩という

関係ですので、この「澪つくし」の岩本さんの役は、設定も含め岩本さんの

あて書きのようにも思えることです。

 本日の夕刊を見ましたら、俳優座養成所から劇団新人会の先輩である渡辺

美佐子さんが文章を寄稿していました。

「たいした考えもなく俳優座付属養成所に入った私は卒業後、小沢昭一さん

達が創った新人会に入りました。初舞台『家庭教師』からブレヒトの作品が

続き、初めての創作劇は田中千禾夫先生の『マリアの首』」

 岩本さんは渡辺さんよりも十歳近くも若いのですが、新人会にいらした時

の雰囲気は、渡辺さんの時代とそう変わらなかったのではないでしょうか。

 やはり渡辺美佐子さんの文章からです。

「毎年の夏、日本中で公演してきた原爆朗読劇は私たち女優が高齢になって

しまって、昨年三十四年の幕を下ろしました。あと二十年若かったら、世界を

周って被爆した人の声を伝えたかった。悔しいです。」

 この朗読劇には、岩本多代さんも参加していて、この朗読劇の旅を撮影した

ドキュメントにはお元気にうつっていましたのに、本当に残念なことでありま

す。

 岩本さんで検索をしましたら、なんと先日に話題とした樋口尚文さんが岩本

さんについて書いているのを発見です。これはありがたい追悼文であります。

 ちなみに「澪つくし」の岩本さんの役は結核で入院中でありまして、そう遠

くないところで亡くなる予感です。次の日曜日に一週間分をまとめて見ること

ができますので、それを録画して是非にご覧ください。

lp.p.pia.jp