この世界の進歩(?)

 このところの当方の購読している新聞書評欄は、あまり気になるもの

がなくてでありましたが、本日はちょっと気になるところがありました。

本筋の書評とはちと違うのですが、このようなことを書いている人がい

ました。

「2週間ごとに送られる書評候補本リストにめぼしい理系書がなかった

ため、とりあえずチェックを入れておいた本書が届いた。さほど期待せ

ずに読み始めたところ、前著いじょうに強烈な延髄蹴りをくらった。

ただし今度は心の奥底に。」

 このように記しているのは東大教授(宇宙物理学)の須藤 靖さんであり

ます。もちろん当方はまったくなじみのない方です。

 上に引用したところで目をひいたのは「書評候補本リスト」というくだり

でありまして、この新聞の書評欄が面白くないのは、この「候補本リスト」

から選ぶことになっていて、書評委員が好きなものを書評する仕組みに

なっていないからといわれたりします。

 これはある程度バランスをとったりするためには、有効でありましょうが、

せっかくいろいろな書評委員がいるのに、もうすこしその方々のカラーがで

てもよろしいかと思ったりです。

 まあこの新聞であっても、全部が全部ではなくて、委員さんがどうしても

紹介したいということで取り上げとなるものもあるのでしょうが。

 この須藤さんが書評しているのは高橋源一郎さんの以下のものとなります。

 NHK出版の本でありますから、これは高橋源一郎さんがNHKラジオでやって

いる「飛ぶ教室」が元になっているのでしょう。ちょっとこの番組は気になって

いるのですが、まったく聞いたことがありませんでした。

 須藤さんは、この本を読んで高橋さんが3時間目で取り上げている永沢光雄

さんの「AV女優」文章に衝撃を受けたとあります。

「確かにその文章は引用がはばかられるほど衝撃的な内容だ。」と書いている

のです。

 おお永沢さんの「AV女優」でありますか。これからの朗読をNHKラジオでは

やったのでしょうか。たしか「飛ぶ教室」は小野文惠さんがでていますので、

彼女が、その差し障りのない一節を朗読したらと妄想してしまうことです。

 それじゃどんなくだりであれば差し障りがないかと、永沢さんの文庫本を

ダンボール箱を探してみることにです。

一冊目はすぐに見つかって、二冊目もすぐにみつかるだろうと思って探して

でてきたのを見ますと、一冊目と同じ巻でありまして、当方は二冊とも買った

と思っているのですが、同じ巻を二冊買ったのか、それとももう一冊あるの

か、これは明日に物置を捜索してみることにいたします。

AV女優 (文春文庫)

AV女優 (文春文庫)

  • 作者:永沢 光雄
  • 発売日: 1999/06/10
  • メディア: 文庫
 

 

AV女優 (2) (文春文庫)

AV女優 (2) (文春文庫)

 

  永沢さんの「AV女優」は、1995年ころから「ビデオ・ザ・ワールド」と

いう雑誌に連載された女優さんへのインタビューをまとめたもので、手元に

ある(2)のほうには、26人分が掲載です。この目次にある女優さんで一人

でも馴染みのある人がいれば、立派なAV通でありますね。

しかし90年代はまだ女優さんに名前があったのですが、たぶん最近は名前の

ない女優さんばかりになってしまったのではないでしょうか。

 この25年間のAV世界の進歩(?)を思うことであります。