本日の新聞読書欄に澤田隆治さんが登場です。澤田さんがこのたび新刊を
出されたということで、その本の紹介を兼ねてのインタビューが掲載されて
いました。
この記事をみましたら、澤田さんは87歳とあります。これの見出しには
「伝説の芸人を調べ尽くす」とありました。調べ始めたのは10年ほど前と
なっていますので、70代後半になってから手がけたのでありますね。
それにしても、すごいことでありますね。
「私説コメディアン史」の決定版を買いていた時でしたか、たくさんの
資料に囲まれて、この仕事をやり遂げなくては、この資料を整理するわけ
にはいかないといっていたのを目にしました。これが終わったあとには、
次の仕事にかかっていたのですね。
このあとに取り掛かっていた著作は、「伝説の芸人」についてのもので
あったとのことですが、その伝説の芸人の名前は「永田キング」という方
です。当方は、この名前を見ても、何にも頭に浮かんできません。
本日の新聞記事では「ほぼ忘れられているが、エノケン、エンタツ、アチャコ
と並び戦前を代表するお笑い芸人だ」とあります。エノケン、アチャコと同じ
クラスであれば、現在忘れられることもないように思いますが、たぶん澤田さん
はそのように評価しているのでしょうが、時代に恵まれなかったようです。
この記事では、澤田さんの次の言葉を伝えています。
「キングは不運です。芸は時代に先駆けていたが、テレビが躍起になって出演者
を探している時は、米軍キャンプを回っていた。海外から戻ってきたら居場所が
なかった。」
永田キングさんは1910年生まれということですから、1959年に米国のテレビ
に出演したとか、全米各地、ブラジル巡業をしたというのは、お笑い芸人として
は極めて異例でしょう。奇術とかアクロバットではあったでしょうが。
そんな忘れ去られた芸人さんにどのようにして接近していったかですが、執念
の調べによって、本文のほか「キングさんに関する50ページを超える年表に結実」
とあります。これはほんとうにすごいことで、こうした調査姿勢に学ぶべきこと
は多いですね。
見習わなくてはいけないことです。