汗をかきつつ探しもの

 本日は全国的に猛暑であるようです。太平洋に面していて比較的涼しい

当地でありますが、本日は今年一番の気温となりました。とはいっても

30度には届かずでありまして、本日はあちこちで最低気温が30度近くに

なると言われていますので、猛暑地の最低気温が、当地の最高気温という

ことになります。

 当地は、夜になっても25度くらいはあるようです。そんななか一冊の

文庫本を探しものです。

 ちょっと前に函館からの来客が依頼してあった坪内祐三さんの新刊を

買ってきてくれました。

  この本には、「『第三の新人』としての長谷川四郎」という文章が収録さ

れていまして、これはぜひとも読まなくてはと購入したのです。

この文章が収録されていることは、読売新聞書評で知りました。これを取り

上げていたのは、坪内さんを師と仰ぐ橋本倫史さんであります。

橋本さんは書評で、「何度も読み返してしまう。この短い文章に坪内さんらし

さが詰まっているように感じる。」と記しているのですね。

 このように書かれたら(書かれなくともですが)、買うしかないでしょう。

 先日にこの本を手にして、真っ先に読んだのはこの文章でありましたが、

坪内さんらしいといえるのか、ちょっともってまわった言いまわしでありまし

て、もっと素直な文章でもいいのになと思ったことです。これが坪内スタイル

ではあるのですが。

 「『第三の新人』としての長谷川四郎」という文章は、「三田文学」が「第

三の新人」についての特集号を出すにあたって、坪内さんに「長谷川四郎と第

三の新人について」執筆してもらいたいとの依頼に応えたものとあります。

坪内さんは、長谷川四郎第三の新人ということではなくて、第三の新人とし

ての長谷川四郎ということを展開していくことになります。

坪内さんが四郎さんの「シベリアシリーズ」ではなく、「阿久正の話」を話題

としているのは、とってもよろしです。

 この展開の仕方が坪内流であることに間違いはなしです。

 この文章を読んで、坪内さんは「考える人」でも四郎さんについて書いて

いるのだが、あれはどんな内容であったのかと思い「考える人」を探してみ

ることにしたのですね。四郎さんについては、村上春樹さんも若い人向けへの

ガイドブックで取り上げていて、もっと読まれてもいいのにな。

 本日の捜索では、「考える人」は見つからずでありまして、これはまた別の

日に探しましょう。

考える人 (新潮文庫)

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若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

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