昨日に続いて長谷川郁夫さんと小沢書店についてのお話ですが、これに
ついてはずいぶんと記していることでありまして、特に新しい話はでてこない
なと思いながら、当方の過去記事について見返すことになりです。
小沢書店といえば、吉田一穂全集をだした版元ということになります。
吉田一穂さんは、北海道積丹半島にある古平町出身の詩人でありますが、
ひどく言葉と詩にきびしい人でありまして、当方はとっても親しむことはでき
ずでありました。
とういうものの吉田一穂さんについては、吉田秀和さんが「ソロモンの歌」
でとりあげ、長谷川四郎さんも私淑していたこともあって、当方もなんとか
お近づきになりたいと思っておりました。
その当時(1970年代の前半)に吉田一穂さんお詩集というと、中公から
でた「日本の詩歌」に何人かで収録されているのが、一番入手が用意であ
りました。
仮面社というところからも「吉田一穂大系」がでておりましたが、これは
入手困難本の一つでありました。
そういうわけで小沢書店から「定本 吉田一穂全集 全三巻」が刊行と
なったときには、無理をしてでも買わなくてはという人がいたはずであります。
一穂にはまってしまった当方の友人は、もちろんこの全集を確保し、その
ほかにも古い詩集(えらい高額なのもの)や自筆ものまで手をだして、家族
を泣かせことになったのでありました。
さすがに当方はその手前で踏み留まりまして、小沢書店がそのあとに刊
行した廉価版の全集で我慢をすることになりました。
(小沢書店からは、定本全集が三度だされたことになりです。)
一番最初の「定本 吉田一穂全集 全三巻」が刊行になったのは、
1979(昭和54)年となります。小沢書店は1972年に創立されたわけです
から、それから7年でこの全集刊行にこぎつけたという印象を受けることで
す。
以下のところでも引用していますが、長谷川郁夫さんの「藝文往来」の
加納光於さんのくだりで印象深く書かれています。この文章を読みますと
吉田一穂全集は編集に手間取り7年もかかって、1979年に刊行になった
とありますので、これからいくと、長谷川さんが小沢書店をおこしたのは、
「吉田一穂全集」を刊行するためであったのですね。

