買った本、見送った本

 先日に行きつけの新刊本屋へといった時に、今月の文庫新刊をチェックする

ことにしました。新聞の広告で新刊タイトルは眼にしているはずですが、このとこ

ろチェックが甘くて、やはり店頭で眼にするのが一番です。とはいっても当方の

行きつけの店には入らないものもあるようですし、入っても売れ筋以外は冊数が

少なくて、見つからないこともありです。

 見て驚いたのは講談社文芸文庫からでていた新刊でありました。

文芸文庫に収録されるくらい作家さんであれば、当方は名前は聞いたことが

あるなと思うのですが、この平沢計七という方については、まったく未知の方で

ありました。久しぶりに文芸文庫らしくインパクトのあるものです。

これを手にして、この作者について書かれたところをすこし読んでみましたが、

本日は見送りということになりです。法政大学 西田勝教室の仕事になります。 

  次に見送りにしたのは、ちくま文庫の新刊でした。

秘本大岡政談 (ちくま文庫)

秘本大岡政談 (ちくま文庫)

 

  このような本があったろうかと思って、手にしてみましたら、これは単行本

に未収録のものなどをまとめた文庫オリジナルのようです。井上ひさしさんの

文庫はほとんど揃えたのですが、さて、これはどうしようかと思いながら、本日は

見送りにすることに。

 探したが売れたのか見つからなかったのは、次のもの。

喫茶店の時代 (ちくま文庫)

喫茶店の時代 (ちくま文庫)

  • 作者:林 哲夫
  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: 文庫
 

  行きつけの店にちくま文庫は各タイトル一冊しか入らないので、どなたかが

購入されたのでしょう。めでたいことです。これの元版は編集工房ノアさんです

から、そちらで購入しておりましたが、文庫化されたことをお祝いしなくては。

 買ったのは、次のものでした。

ほのぼの路線バスの旅 (中公文庫 た 24-3)

ほのぼの路線バスの旅 (中公文庫 た 24-3)

 

  田中小実昌さんは、亡くなって20年になりますが、いまだに地味に人気が

あることです。

 乗り鉄とかいわれて、鉄道愛好者は多いですし、そうした著作も多いのです

が、それとくらべるとバスが好きという人は少ないように思います。

バス好きの代表的な一人が田中小実昌さんでありまして、バスに乗ってという

著作もありました。

 知らない町へといったりしたときには、市内を循環するような(または路線が

長い)バスに乗るのが楽しいことですが、田中さんはもっとバス好きでありまし

て、「東京都内のバスはみんななんども乗っている」と書いていますから、ほんと

筋金入りです。

 田舎の町はどこも路線バスが成り立たなくなって、公営のコミュニティバス

ほそぼそと走っているのが現状です。北海道の鉄道は、海外からの旅行者の

減少と都市間移動の抑制で、経営が危機的状況に陥っていますが、鉄道旅行

とかバスの楽しみというのは、都会生活者だけのものになりかねないことです。