最後までいけるか

 このところまるでページを稼ぐことができていないので、ちょっと読むやす

そうな長編小説を手にして読んでみることにです。この小説は、先日にブック

オフで格安で入手したのですが、ページ数が700を超えますでいったいページ

あたりいくら支払ったのでありますか。

 一日百ページ読み進んだとして一週間で読める計算となるのですが、さて

最後までたどりつくことができるでありましょうか。

百年の旅人たち (新潮文庫)

百年の旅人たち (新潮文庫)

 

  これまで読んでいそうでいて、読んだことのなかった(たぶん)小説家の長編

です。こういうのに手がのびるというのがブックオフのありがたいところでありま

すね。読めなければ読めなくてもいいけど、まずは買ってちょっと手近において

おこうと思いましたです。

 この本を購入したのは、これが描かれている舞台と時代に興味があったから

であります。

 時代は昭和22年5月くらいでしょうか。敗戦後の樺太からの引き上げ事業が

はじまって半年が過ぎた頃に、朝鮮人の人たちが樺太から九州を経由して朝鮮

へと帰国するという事業に加わった家族の話です。

 樺太からの引揚げの方は当方の住むまちにも数千人という規模でいらして、

その昔は引揚者向けの住宅というのが整備されていました。もちろん当方が生ま

れた頃には、ほぼ引揚げは終わるのですが、日本人で引揚げを希望する人は

ほとんど国内に戻りましたが、なかには樺太朝鮮籍の方と一緒になったりした

人は、離別しなくては日本に戻ることができないということで、たいへん厳しい選

択をせまられたことが、最近になってメディアで取り上げられています。

 この小説の引揚者は朝鮮の人々でありますので、基本は連合軍政部による

強制送還となるのでした。この小説は、そのような時代を背景にしたものとなり

です。

 自分が生きていた時代であってもわからないことばかりでありまして、まして

戦後まもなくのことはほとんどわかっていないことです。このまちに住む引揚者の

話を聞くこともあったりしますので、そのための参考になればいいなと思っていま

す。