ラムと文庫本

 本日は午後から買い物にでることとなったのですが、そのときに安売りの店

によってラム酒を購入することになりです。

当方はお酒がなくてもいい人ですが、料理用とお菓子用に酒を必要とします。

ラム酒は、レーズンをはじめとするドライフルーツをつけておいて、パンやお菓

子に混ぜ込んで使っています。これが思いのほか消費するのですよね。安い

国産のラムもあるのですが、どうせ使うのでありましたら、カリブのものをという

ことで、ハバナクラブかバカルディを確保です。入手しやすいのはバカルディ

ありまして、近所の生協よりも本日のお店のほうが百円ほど安いと、いってみる

ことになったものです。

 このお店のとなりの売り場は、本屋さんとなっていて、あわせてこちらを流し

てみることになりです。これなんかないだろうと思っていた本が入荷していたり、

ずっと姿を消していた岩波新書新刊がはいっていたりで、ひと月に一度くらい

はチェックしなくてはいけないかな。(あって驚いたのは「小尾俊人日誌」)

 本日は持ち合わせが少ないせいもありまして、購入は文庫本一冊でありまし

た。

万華鏡の女 女優ひし美ゆり子 (ちくま文庫)

万華鏡の女 女優ひし美ゆり子 (ちくま文庫)

 

  ひし美ゆり子さんについて、樋口さんがインタビューして記録したもので、

ひし美さんへの愛にあふれる一冊です。

 ひし美ゆり子さんは、1967年に「ウルトラセブン」の「アンヌ隊員」役を演じ

て有名になるのですが、当方はこの番組をそんなに見た記憶がなしです。

放送されていたのは、高校の頃ですが、途中から親の転勤により下宿生活を

送ることになりテレビを見る日常から離れていました。

 そういうわけで、当方がひし美さんを知ったのは、いきなり週刊誌のグラビア

ということになりです。(現在にひし美さんの本がでるのは、「ウルトラセブン

のアンヌ隊員人気のせいであります。)

 このグラビアから火がついて、ひし美さんは1972年頃から東映の映画に

でるようになっていくのですが、ちょうどこの時期は、当方は学生でありまして

京都一乗寺にあった京一会館で、女優さんの裸がでる映画を好んで見ること

になりました。

 そんななかにひし美さんが出演する映画もあったはずなのですが、この文庫

でリスト化されているひし美さんの出演作品を見ても、これをみたぞというのが

思いつかないことです。

 それはさて、この時代は今とちがってインターネットどころか、ひどく性描写に

厳しい規制の時代でありましたら、いまではこんなのが問題になったのかと

思うくらいであります。

 そんな時代の映画ヒロインのことをとりあげたのが樋口尚文さんでありまし

て、1994年に刊行された「女優と裸体」というのは、画期的な論集だと思うの

であります。

 この本で取り上げているのは、ひし美さんよりももうすこしメジャーな女優さん

でありまして、それこそこの本は文庫化されてもいいのに。

女優と裸体

女優と裸体

 

  最後に、本日手にした文庫本にでていた樋口さんによるくだりを引用です。

「実は、七十年代の女優の裸にすがることが多かった貧しいプログラム・ピクチ

ヤーでデビューした女優たち、秋吉久美子桃井かおり原田美枝子高橋洋子

・・・といった世代は、映画内だけに留まらないグラビアにおける性的なビジュアル

の露出によって女優としてのイメージに大きな影響を受けている。」

 ひし美さんは、ここにあがっている世代よりもちょっと年長ですが、当方の世代

にとっては特別な女優さんたちであります。