ひと山千円なり

 本日から12月にはいりました。ここ数年はクリスマスには手作り粉もん

ギフトでありまして、そのための準備にはいります。シュトレーンのための

ラムレーズンやピールなどはずいぶん前から仕込んでいるのですが、本日

は今年の紅玉りんごを使ってアップルパイ用のフィリングを作ることになり

です。壮瞥町のりんご農家さんから、B級品のりんごをひと袋千円で購入

しましたので、それの皮むきしてから、カットして煮込みました。

f:id:vzf12576:20191201152655j:plain

 ちょっと赤みが足りないかもしれませんが、フィリングは美味しくできたようです。

これからは週末ごとになんらかの作業をすることになります。忙しい12月であります

が、これが楽しいのですね。パン作りとお菓子作りは、趣味と実益を兼ねておすすめ

の時間の使い方です。

 最近、こちらの新聞の一面を飾ったのは北海道知事がIR誘致を今回は断念した

という報道でした。特区とかでカジノ解禁で、全国に三箇所カジノを含むIRを設置す

ることを認めようということになって、全国でいくつかの道府県が名乗りあげの準備

をすすめていました。北海道は準備が整って手あげをしたら有力ではないかといわ

れていたのですが、土壇場で環境アセスに時間がかかることと、議会の多数派の

意見がまとまらなかったことから、今回は見送りするとなったものです。

 当方は、IRが経済成長の救世主とは思えず、それよりもそのプロジェクトがカジノ

に依存するということもあって、反対という立場でありました。富裕層を呼び込んで

IRというけど、この富裕層とはどこの国の人であるのかです。

 そんなふうなことを思っていたら、「ちくま」12月号に「等身大のインディアン」とい

う文章がありました。この文章の書き出しは、次のようになります。

「カジノには否定的なイメージがつきまとう。インディアン(アメリカ先住民)がカジノ

経営にさかんに取り組んでいることは、アメリカの大衆文化などを通じて日本でも

多少は知られているかもしれない。しかしそこに見られるのも、おおむね否定的な

『リッチ・インディアン』の姿である。マイノリティとしての特権を利用して暴利を貪る

存在。あるいは、本来は純粋無垢であるはずなのに資本主義の悪に毒されてしまっ

た人びと。そうしたイメージが、そこにはしばしば反映されている。」

 これの筆者は山田文さんで、ちくま新書からでた「インディアンとカジノ」という本

の紹介であります。

 どうしてインディアンがカジノをするようになったのかですね。山田文さんは、次の

ように記しています。

アメリカは、ヨーロッパ人がインディアンの土地を侵略することによって建国された。

それを正当化するためにアメリカは土地を譲り受けるかわりに各部族を主権国家

して認め、その自治を保護するという『約束』を部族と交わす。・・・

 しかし、社会の周縁に追いやられたインディアン部族の多くは貧困にあえぎ、厳し

い生活を強いられる。

 そこで部族が目をつけたのが、州の法律に縛られない『主権国家』としての自治

権を利用した非課税ビジネスとカジノ経営だった。州はこれに反対するが、州の主権

よりも部族の主権が優先されるとする1987年のカバゾン判決を受けて、多くの部族

がカジノ経営にのりだしていく。」

 なるほど、インディアンとカジノということはそういうことでありますか。北海道の

カジノを含むIR計画についても、このような特区の考え方もあったのかもな。