近くの分館から

 当方の住む町の図書館は何箇所かに分館がありまして、新刊などですこし

マニアックなものは当方が一番利用する本館ではなくて、分館に入ったり

することがあります。特に、新しく分館ができたりするときには、ちょっと予算が

多いめについたりしますので、そういう時には本館とは違った雰囲気の本が

入ったりもするのですね。

 最近の図書館は、どこもネットで蔵書が検索ができ、ホームページで依頼を

しますと、各館に分散してある蔵書から借りたいものを揃えてくれたりもします。

今ではあたりまえのことではありますが、これがけっこう慣れなくてはおっくう

で、一番落ち着くのは、市内に点在している分館に足を運ぶことでしょうか。

 おっくうに思っているせいで、池内紀さんの「記憶の海辺」は、亡くなってから

再読したいと思っていながら、いまだ果たせておりません。

 昨日に近くの分館に足を運んだのは、絲山秋子さんの次のものがあったか

らであります。

  気になる作家 絲山秋子さんでありまして、これまでブックオフで文庫本を

見つけたりしましたら購入しておりました。芥川賞を受けている中堅作家さん

となるのですが、受賞時の紹介で病気を抱えながら小説を書いているとあって

興味を持ちました。

 当方の友人の一人に絲山さんと同じ病気に人がいて、彼はすでに病歴30

年というベテランでありますが、いまでも好不調の波が大きく、生きるのに苦労

しています。

 病気と折り合いをつけながら小説の執筆を続けている絲山さんは、どのよう

に病気に向き合っているのかに興味がわいて、「絲的ココロエ」を借りてきた

わけです。

 「絲的ココロエ」は、同病の友人の置かれている状況を理解するのに、参考に

なりそうであります。