図書館から借りている本の二冊目は南伸坊さんの「私のイラストレーション史」
であります。
南伸坊さんは1947(昭和22)年生まれでありますので、昨日に話題とした目黒
考二さんよりも一歳若くなります。団塊の世代でありまして、大学なんかにいって
いれば全共闘世代なんていわれることになったりします。
高校からその後にかけて目黒考二さんは中間小説を読んでいて、これはこれで
珍しい存在であります。一方の南伸坊さんもかなりユニークなのでありますね。
その当時(たぶん1966年ころ)のことです。
「当時、学生がマンガを読むのは、白土三平が唯物史観のマンガ家だとか、革命の
マンガ家だとか言われていたからだった。クラスでも一番人気はその白土三平だっ
たが、私は断然水木しげる派だった。」
マンガを読む大学生というのが臆面もなく姿をあらわすのは、白土三平などの
作品がきっかけであって、やはり唯物史観とか革命なんてのが背景にあったから
であるとわかります。
後に美学校に進学することになる南さんは、貸本屋で親しむことになった水木
しげるさんの作品とへろへろの線にひかれたとあります。
そして南さんは雑誌「ガロ」の編集者になり、マンガ雑誌の世界で活躍することに
なるのですが、それじゃ「マンガ雑誌」を読んでいた学生たちは、その後どうなった
のでありましょうね。
そんな時代もあったよねじゃないよな。