図書の入れ替え

 図書館から借りていた本を返して、別のものを借りてくることになりまし

た。読みやすいものを借りていたはずですが、まるで読むことができずに返却

することになって、これは残念。うち一冊は、期間延長でありますが、もうすこし

ねばってみることにしましょう。

 本日に新たに借りたのは、二冊でありますが、一冊はかなり苦戦が予想さ

れますが、とにかくお守りがわりに、そばにおいておくことにいたしましょう。

 それで本日のもう一冊であります。

100年かけてやる仕事 ― 中世ラテン語の辞書を編む

100年かけてやる仕事 ― 中世ラテン語の辞書を編む

 

  プレジデント社からでたものなんて読んだことはないやでありますが、この

本を書いた人は、毎日新聞の記者さんだそうです。記者としてロンドンに駐在

していたときに、「中世ラテン語辞書プロジェクト」を取材していて、それを知っ

たプレジデント社の編集者さんがロンドンに訪ねてきて、この本が刊行される

ことになったあります。プレジデント社って、こういう企画が通るのでありますね。

 本日に借りるかどうかと、ページをパラパラとめくっていましたら、アーサー・

ビナードさんの名前があがっていて、まずはそこのところを見ることになりです。

 ビナードさんが登場するのは、次のような流れのなかです。

「辞書づくりとは直接関係ないところで活動しながら言語や歴史、身体性や

時間について語れる人に話を聞いてみたいと思った。中世ラテン語辞書の

取材を通して僕は、辞書づくりだけでなく、幅広く時間や文化、伝統、国民性

などについても考えていたためだった。」

 この取材のために、いろいろな人にあたったのですが、なかなか受けてくれ

るがいなくて、そうしたなかビナードさんがOKしてくれたとのことです。

ビナードさんは、英文学に与えた古典(ギリシャ語、ラテン語で書かれた)の

影響について、語ったあとで日本で感じる不思議なことといって、次のように

語ったことが紹介されています。

アイヌ語がなくなってしまうとき日本語はどういう立場に追いやられるのか。

それが理解できていない。アイヌ語が滅びてしまったとき日本語がわからなく

なる。そうしたことに対し日本人は不思議なほど危機感を抱いていません。」

 ということで、ビナードさんは「かばんの中に分厚いアイヌ語辞典を入れてい

る」のだそうです。

 当方が住んでいる町に限らず、北海道のほとんどの大きな地名はアイヌ語

由来であります。地名を聞きますと、そこがどのような土地の状況であったの

かわかるようになっていたりします。したがって同じような地名があちこちに

存在することになるのですが、北海道の地名を研究している人は、アイヌ語

由来の地名は嘘をつかないといっています。

 北海道の地名はアイヌ語のおかげでひびきが良いといえるのですが、

漢字を当てたら読めなくなりますね。

 アイヌ語地名については、北海道庁のページにも掲載されています。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/new_timei.htm