終えてブックオフへ

 本日の検診はお昼前に終わりまして、そのあと支給されるヘルシーな       

お弁当をいただいてから、ブックオフへと足を運びました。

 今年の二回目でありますが、前回に立ち寄った時に持ち合わせがなくて、

見送りにしたものが残っているはずなので、それを買っておこうと思ったもの

です。

 ということで、首尾よく目当ての本を確保することができました。(けっこう

かさばる本ですので、置き場所に困ったりするのですが、まあいいでしょう。)

岩波書店からでていた「荷風随筆」全五巻でありますが、今月14日にいった

時に三冊買って、本日二冊で、めでたく五冊揃うことになりました。

 この「荷風随筆」は、「荷風全集」から随筆を抜き出しがものですが、今よ

りも出版業界が良かった1981年の刊行で、箱入りで、クロース装で、正字

旧かなで、荷風を読むならこのような本でというものです。

 刊行から40年近くたって、文庫本よりも安い値段で売られているのは、すこ

し淋しいことですが、年金暮らしにはありがたいかな。30歳になったばかりの

時とくらべると、こちらもちょっとは荷風の世界に近づいてきているかと思う

ことで、そういう時に、昔に買うことができなかった本を入手できるのはうれし

いことです。(たぶん、当方の親の世代の人が手放したのでありましょうね。)

 荷風の随筆は、決して読みやすいとは言えないのですが、たまにこういう

昔のリズムで書かれた文章に浸りたいものです。

「方々に新年会の催しがある。けれども自分は飲みたくない酒を強ひられて

まで、世間の交際を続けて行く必要を感じない。天下の名士と席を同じく

する光栄を欲しない。剣舞や詩吟や都々一やら、隠芸とか言ふ凡て洗練され

ないヂレッタントの芸術に、快哉一番を大呼するだけの度量がない。」

 元は正字でありまして、ルビなどもふられていますので、引用しても雰囲気

は伝わってこないですね。

荷風随筆〈1〉 (1981年)