戦災か戦争か

 戦災と戦争という言葉の下につくのは孤児になります。
 今月の12日にNHKスペシャルで「駅の子の闘い 語り始めた戦争孤児」という番組
がありました。当方は、これがあることは知っていながら、FMラジオの番組をずっと
聞いていたこともあり、こちらのほうは見逃してしましました。
 本日の新聞には、この番組を見ての記者によるレビューが掲載されていて、そこの
見出しには「戦争孤児取り巻く困難」とあります。このレビューの書き出しは、次の
ようになりです。
先の大戦、親を空襲で亡くすなどした戦争孤児は12万人に上る。そのうち全国各地
の駅で寝泊まりする子どもは『駅の子』と呼ばれた。」
 戦争を経験した長老から話を聞いたところでは、空襲などで親を亡くして孤児と
なったのは戦災孤児といって、昔は戦争孤児などとはいわなかったとのことでありま
す。長老にいわせると戦災孤児といえば十分で、これを戦争孤児と言い換える必要は
あるかという感じでありました。
 たしかに戦後まもなくに国のお役所が講じるにあたって定めたのは戦災孤児等保護
対策要綱となっていましたから、この時代を知っている世代には、戦災という言葉は
目になじんだものであることがわかります。
 長老にとっては「駅の子」は、戦災孤児以外の何者でもなく、これを戦争孤児という
のは、ちょっと違うなであります。
 レビューを書いた記者さんたちの世代には、戦争孤児のほうが違和感がないので
しょうが、あと何年もしないうちに戦災孤児と記されているのを目にすると、これは
間違いではないかと言われるようになりかねませんです。