整理がつかない

 本日は終日自宅にいたのでありますが、旅行へといった後片付けなどをしていたも
のの、まったく整理がつかないことでした。
 本を読むほうは、関西への携行本でありました富士正晴さんの文庫本「桂春団治」の
表題作を、なんとか読みましたです。
 読んで残念なのは、当方が主人公である桂春団治の芸について、ほとんどまったく
知らないことでありますね。現在ではネットで春団治の芸を音声で聞くことができると
思われるのですが、この時代に耳にして破天荒なその芸を認識することができるでしょ
うか。
 それはそうとして、桂春団治といえば、すぐに頭に思い浮かぶ、いくつかのエピソー
ドは、それまで春団治について書かれた著作などを通じて世間に定着していたのです
が、それらを春団治周辺の人々の証言や関係する戸籍などを読み解くことで修正した
り、補強したりするという作業となっています。
 春団治が亡くなったのは1934年で、この本の元になった文章が発表されたのは1963年
のことですから、ほんの30年ほど前まで生きていた人の話となりますが、身近な人に
よっても記憶が違っていたりしていて、それを入手した資料などを付け合わせること
で確認し、わからないことについてはわからないと記するのが、富士正晴流であります
ね。
 もすこし、この本を読んでみて、このあとは「竹内勝太郎の形成」も手にしてみるこ
とにいたしましょう。
 そんなこんなで、本日は関西で購入した本を話題とするところまでいかずでありま
す。