その昔の角川映画のキャッチコピーに「読んでから見るか、見てから読むか」とい
うものがありました。どの作品のころにでたものであったのかわかっておりませんが、
映画作品とあわせて角川文庫の原作を売り込もうという戦略でありました。
当方の「見てから読むか」というのは、角川映画ではなくて、本日まで朝にやって
いたドラマでありました。NHK大阪制作の連続ドラマは、大阪の興行界で活躍した女性
経営者をモデルとしたフィクションでありました。
その昔の興行界というのは、古い世界でありますからして、なかなかドラマにしに
くいところもあるだろうなといわれてましたが、もちろん、そのあたりについては、
触れずに終わったようであります。
先日に本を探していましたら、その昔に格安で購入した「女興行師 吉本せい」が
でてきました。(探していたのは、別の本でありましたが、そちらは見つからず。)
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のちくま文庫本となります。ずいぶん以前に確保したのに、これまで未読でありまし
た。ちょうど掘り出してきたこともありまして、これをきっかけに読んでみることと
しました。
この本の出だしのところを見て、あらまこれはもっと早くに読んでおけばよかった
と思いました。矢野さんが書いている次のところに反応です。
「吉本せいの評伝を書きたいと考えて、資料など集め出して、もう何年になるか。
富士正晴『桂春団治』は、吉本せいが席巻してみせた時代の大阪演藝界の息づかいを、
的確に伝えてくれる名著で、だから手許から離し難かったのである。」
矢野さんの仕事机の上には、何年も富士正晴「桂春団治」がのっていたと記された
あとに、上のように書かれていました。
富士正晴さんの「桂春団治」は、芸能に詳しい矢野さんからこのような評価を受け
るのであれば、これは読んで見なくてはいけないと思いましたです。(これも確保し
てあるはずですが、見当たらないこと)
矢野さんの本には、春団治と小春団治についての言及があって、小春団治という人は
花柳芳兵衛となるのだそうですが、そういえば富士正晴さんには、この方についての
文章もあって、矢野さんに触発されて富士さんの本が気になることです。
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