余裕のあるときに

 フルタイムの仕事をやめてからは、日々に食するパン作りは当方の担当となっていま
す。パン作りをするにあたってのリクエストは、道産小麦全粒粉と道産ライ麦を使うこ
とと、天然酵母を使って作ることでありました。
 パン作りを始めたころは、ドライイーストで、普通の小麦粉も全粒粉を半々としたも
ので慣らし、それで安定したころに、全粒粉ばかりで作ることになりました。
そのあとはドライイーストから市販の天然酵母を使って、全粒粉とライ麦を半々にした
ものや、ライ麦ばかりのものなどを手がけ、市販の食パンは、まったく買わない生活が
続いています。
 なんとなく市販の天然酵母にもなじんできましたので、次は自家製酵母を使っての
パンつくりに挑戦です。天然酵母を作ること自体は、そんなに難しいことではないの
ですが、それでできた酵母液と強力粉を混ぜで中種をつくり、それを全粒粉などに
あわせてパンを焼くというのは、そこそこ大変なことであります。
 特に当方のように、道産小麦全粒粉とか道産ライ麦とかを使って、当方のような配分
比率で作るのは、よほどマニアックなことであります。
当方の場合は、基本は家庭内で食するわけですから、自分たちが良ければ、どんなに
食べにくいパンでありましても、まったく問題がないわけであります。
 ということで、本日は朝からパンの仕込みにかかりまして、イーストで全粒粉の食
パンを1本と自家製酵母を使っての全粒粉とライ麦半々のものを1本焼きあげました。
自家製酵母のパンは、発酵に時間を要することから、余裕のある時にやりましょうと
テキストにはあるのですが、本日は、こねてから焼き上がりまで12時間でありました。
 本日のパンを写真にぱちりです。(自家製酵母を入れた保存瓶もあわせて)

 当方が作るパンは、どちらかというとドイツ系のものでありまして、ドイツはあまり
食べるものが美味しいという話は聞かないなと思いました。
 ちょうど手にしている「ブッデンブローグ家の人々」は、裕福な家庭の物語ですが、
小説を読んでいても、ひんぱんにパーティなどは開催されるのですが、「上等の料理」
とはあるものの、これについては、どのような料理メニューとなっているのか書かれて
いなくて、気になることであります。
 「ブッデンブローグ商会」は手広く商いをしているのですが、その品目にはライ麦
どもありまして、作中には、次のようにああります。
「『ねえ、トム、』とコンズルは上機嫌で言って、口からシガーを放した。『ヴァン・
ヘンクルドーム商会とのライ麦の商談ね、お前に話した商談、あれ、まとまりそうだ
よ。」
 ライ麦の商談でありますか。当方が購入している道産ライ麦は、昨年不作で製粉会社
は、昨年11月いっぱいで販売を中止であります。当方の確保したライ麦も、そろそろ残
りが少なくなって、そのあとは、次の収穫が終わるまで道産ライ麦を使ったパンは食べ
ることができないという淋しい状況になりです。輸入ライ麦はどうなのかなと思うもの
の、がまんして収穫を待つことになるのかな。