間違いでなかった

 外出から戻りましたら、宅配便の不在票がはいっていました。送り主の

名を見ても思いあたることがなく、ご近所にも同姓の方がいらして、以前に

は間違えて配達されたから、ひょっとして今回もかなと思いつつ、再配達を

依頼しました。

 夕飯を終えたころにピンポンとチャイムがなって、出てみましたら確かに

当方あての荷物の再配達でありました。はてさて、なんでありましょうかと

思って送り状を見ましたら、書籍同封とあります。ひょっとして本を送って

いただいたのかであります。

 開きましたら入っていたのは、出来上がったばかりの新刊です。

ぼくの伯父さん: 長谷川四郎物語

ぼくの伯父さん: 長谷川四郎物語

 

  うれしい、うれしい! どうして当方のところに送られて来たのだろうと思い

ながらも、ありがたくいただくことにです。

 長谷川四郎全集の編集を担当された福島紀幸さんによる長谷川四郎さん

の伝記です。いつかはこれがまとまるだろうと思っていましたが、四十年前に

四郎全集の編集をされていた福島さんも、来年は80歳となるとのこと、その

ちょっと前に刊行できて、二十代からの長谷川四郎ファンである当方は、我が

ことのようにうれしい。

 さっぱりうまく読むことができていない長谷川四郎さんの作品でありますが、

大好きな作品世界でありまして、グローバリズムが蔓延して、それの反動で

自国ファーストが喧伝され、嫌悪本や昔から日本は素晴らしいという本が

大売れする時代に、長谷川四郎さんの本が静かに読まれることを願っていま

す。