編集工房ノア社主 涸沢純平さんの新刊 表紙カバーにつかわれている
「人の世 やちまた」の書は、サインがありますことから足立巻一さんのものである
ことがわかります。
「やちまたの人」の巻頭には、足立巻一さんの「好きな言葉『やちまた』」という
文章が掲げられています。これは足立さん生前最後のエッセイ集である「人の世
やちまた」と同じつくりであります。
足立さんの代表作である「やちまた」は、本居宣長の長子春庭の生涯とその
著書である文法研究の「詞のやちまた」をメインに、自らの青春時代に春庭研究に
没頭した日々を描くものでありますが、「やちまた」は足立さんにとって、人生そのも
のとなります。
足立さんは常日頃から「ノアをつぶしたらいかん」といっていたようですが、
亡くなったのはノアが開業して10年が経過した1985年で、72歳の時でした。
それから32年、ノアは足立さんたち先人に護られてしぶとく出版を続け、涸沢さんは
72歳となりました。