昨日の収穫など

 昨日に外出したおりに、ブックオフなどに立ち寄りました。
 前回の巡回から、いくらも間隔があいていないのですが、前回には目に入らない
ものもありまして、やはり週に一回くらいの立ち寄りは必要かと思いました。
前回に眼をつけていた戸川安宣さんの「ぼくのミステリ・クロニクル」は、姿を消し
ていて、あの値段では当方は手が出せなかったかな。
 申し訳ない気持ちで入手したのは、次のものですが、どちらも均一本ではありません
でした。

諫早菖蒲日記

諫早菖蒲日記

 没後三十年を記念して九州の出版社が刊行した新装版です。これがでているのは知っ
ておりましたが、これまで縁がなくて購入することができませんでした。当方の手元に
は、文庫や作品集などがあって、これで読む事ができるのですから、これが出た時に、
あえてこれを買うことにはなりませんでした。
 九州の人たちが野呂邦暢さんのことを大切にしているのがわかる一冊。この本の表紙
には、野呂さんの友人の画家 荒木幸史さんが菖蒲の絵を寄せています。帯には、野呂
さんの言葉が引かれています。
「人間も木と同じ。ここに植えている木を東京に移したら枯れてしまう。」
(この言葉は、どこにあるのかな。)
 この本の刊行から7年がたって、佐藤正午さんが直木賞を受賞ですが、正午さんは野呂
さんを敬愛している方ですから、野呂さんの在り方を心の支えとして執筆活動を行って
いたのでしょう。
 もう一冊は、このようなものがでていたことも知らなかったもの。 タイトルからは推測することができませんが、帯には次のようにありです。
「この十年に綴った本にまつわるエッセイをキーワード別、作家別に厳選。書の海の
こよなき羅針盤となる一冊。」
 鷲田さんによる読書案内でありますね。巻末にこの本で取り上げられた本のリストが
ありです。もちろんまるで手の出ないものもありで、「哲学」ということではメルロ・
ポンティとかロラン・バルトの著作が取り上げられ、「てつがく」ということで工藤
直子さんの「てつがくのライオン」が話題となりです。
 とにかく幅広い本があがっているのがよろしで、こうした仕事が最近の折々のことば
につながっているようです。