そろそろ読了かな

 先日から読んでいる松家仁之さんの「光の犬」は、残すところ30ページくらいであ
ります。これならすぐに読み終わってしまうのですが、しばらくはここらあたりで
足踏みをして、最後までたどり着かないようにいたしましょう。

光の犬

光の犬

 ここまで読んでの感想でありますが、一族三世代で登場人物はそんなに多くないも
のの、その中にもうすこし掘り下げて書いてほしいなと思う人もいたりして、やはり
三世代を描くためには、この分量ではすこし物足りないなと感じることであります。
 まあ、これは当方が見当違いの読みをしているからでありまして、この小説にこめ
た作者の意図は別なところにあるのでしょう。当方の読みは単純でありますからね。
残り30ページで、いまだなぜに「光の犬」であるのかは、明かされていません。
 それにしても、なかなか凝った仕掛けの小説でありまして、まずは各章ごとに付箋
をつけて、それにはその章の登場人物とその生きている時間を記しておけばよろしい
のかもしれません。
作中の三分の二ほども進んだところにおかれた章は、一族の誰も登場しないことに
なっていて、どうやら、このへんがこの小説の肝のようでありますね。