日本ボロ宿紀行

 先日に購入した「日本ボロ宿紀行」(鉄人文庫)を読んでおりました。

日本ボロ宿紀行 (鉄人文庫)

日本ボロ宿紀行 (鉄人文庫)

 この文庫の元版は2015年にでていて、それの元になったのは著者がブログで掲載し
ていたものだそうです。ずいぶんと人気のあるブログであるのだそうですが、当方は
もちろんのぞいたことがありませんでした。
 そもそも鉄人社というのは、どういう本を出している出版社なのかと思って検索を
してみましたが、これまで当方に縁がなかったのか不思議でなしです。
 「ボロ宿」というのは、著者がいうところによると「歴史的価値のある宿から古い
安宿までをひっくるめ、愛情を込めて『ボロ宿』と呼ぶ」とありました。
もちろん興味深いのは「古い安宿」のほうでありまして、中にはほとんど廃墟としか
見えないような宿に泊まる話が面白しです。
 その昔といっても、いまから30年くらい前までは、あちこちに商人宿というのが
ありまして、そういう宿が現存していましたら、どれも立派な「ボロ宿」でありま
しょう。
 学生時代を四畳半、共同トイレ、炊事場なし、食事なしの下宿屋で暮らした経験の
ある世代にとっての旅館といえば、この本に掲載のようなものばかりでありました。
 商人宿がビジネスホテルというようなものに、建て替えられてからも、学生時代の
友人たちと都会で集まって泊まったりするときには、昔の商人宿スタイルのところを
選んで利用したりしました。(もちろん安かったからです。)
 この文庫には、地方の味のある宿が取り上げられているのですが、ほんとに味も
そっけもなく、ただただ安いボロ宿というのもリポートしてもらいたいものです。
 本日の朝日読書欄を見ていましたら、「福永信がすすめる文庫この新刊」でこの
本が取り上げられていました。当方の手にしているものが読書欄に掲載となったのは
久しぶりであります。