本を探して

 知人から連絡があって、柳原良平さんが装画した本を持っていないか、たとえば
開高健とか山口瞳のものをとのこと。
 柳原さんと開高さん、山口さんはサン・アドつながりでありまして、洋酒天国など
が手元にあればですが、もちろん当方もそこまでは手が回っていないことです。
山口さんのものは、草競馬ものくらいしかもっていないし、あれの表紙は違うから、
たぶん開高さんのものにあるはずと、それを探してみることに。
 柳原さんの絵のタッチからして、開高作品でも楽しい系列のものにしか使われて
いないようで、当方が持っている小説などは、軒並みだめでありました。
それでも何かあるはずと思って探してみましたら、次のものがそうでありました。

 新しい天体とは、ブリア・サヴァランの「美味礼讃」にインスパイアされたグルメ
小説であります。
 これを手にしたときに、そうだ次のものもそうだと思いあたりました。

フィッシュ・オン (新潮文庫)

フィッシュ・オン (新潮文庫)

 ベトナムでの取材を終えて、行動を一緒にしていたカメラマンさんと、欧州で魚釣
りをして歩くというものですが、ベトナムでのいつも死と隣り合わせにあった取材で
おかしくなってしまった精神状態を鎮める意味合いのものです。
 こうした内容のものでありますので、柳原さんの絵はほのぼのとしていて、精神の
緊張をほぐす効果があるようにみえます。