本音を申せば

 小林信彦さんの「本音を申せば」の文庫になっていないものを、勢いで購入するこ
とになりです。これを機会に「人生は五十一から」のシリーズを探し出してきて、揃え
読み返したいものです。
 本日、手にしていたところから、A首相についてのところをつなぎ合わせると、次の
ようになりです。
「2015年の日本はアベという暴君に支配され、マスコミの自由が抑圧されている。民主
主義なんてものではない。真実の報道はなされない。真の指導者というものがいない。
 曲がりなりに七十年の平和な生活のあと、<戦後最悪の首相>が暴走する国に生きる
のは奇妙なものだ。安倍晋三は顔がふくれ、益々悪相になっている。いや、内閣のそれ
ぞれがすべて悪相という珍しい政府を、テレビで眺めるのもいやだ。こういう感想を
持っているのはぼくだけではあるまい。」
 2015年とありますので、これは「古い洋画と新しい邦画」に収録のものから引用です。

 2015年に、このようにあるわけですが、この政権のひどさというのは、2017年の
この時期にいたって、極まれりであります。
 この政権は他の政権ではできなかったことをたくさん成し遂げたといわれるのですが、
そのどれもこれもが多数を頼んだ強行採決でありまして、たしかに何かしようとしたら、
これくらい強引にやらなくてはだめなのかなと思ってしまったりします。もちろん、それ
はとんでもない間違いでありまして、少数派を力で押さえ込んでいくというのは、すくな
くとも民主主義のルールではありません。日本の報道の自由度が、国際的な比較でいく
と、お恥ずかしいほど低位でありますが、それにしてもどうしてこの状況がおかしいと
思わないでしょうね。
 こんなに議論もせずに採決をしてしまうのであれば、国会なんていらないっしょと思え
ば、それこそ国会を廃止なんてことになってしまうかも。既成事実の積み重ねで、あっと
いうまに信じられない国になっていることで。