本日はお彼岸なり

 朝からお天気がよろしく、風もないので暖かく感じました。昨日から45時間くらい
もプラス気温が続いているようです。暑さ寒さも彼岸までであります。
雪解けがどんどんとすすんで、市内を車で走っていても雪を目にすることがなくなっ
てきました。庭も積もっていた雪がわずかにのこるだけで、すいせんや福寿草が地上
に顔をだすようになっています。
 とはいっても、まだまだ花をつけるまでにはいたりません。花で一番早いのは福寿
草でしょうか。これは今月末でくらいには見ることができないかな。
 昨日に続いて小沢さんの俳句探索しようかなと思いましたが、本日はお彼岸であり
ますので、朝からぼたもちつくりを手伝って、そのあとお寺まわりであります。
「一緒に寺にゆき、何度きても迷うものらしい墓地のなかのその墓を、やっと探しあ
てた。すると父は、やにわに『山田さん、ごぶさたしました。。小沢が参りました』。
大きな声で挨拶して、まめまめしく墓の掃除などをはじめたのだった。
 そういえば亡母の墓の前でも、なにか呟く癖があったようだが。どうしてそんな
大声をだすのかと訊ねると、父はてれくさそうに答えた。『山田さんは耳が遠いから
な』
 私は自覚しないわけにはいかない。おれは死者とのつきあい方を知らないなあ、おや
じの生き方のほうが、首尾一貫して上等なところがあるのではあるまいか。」
 小沢信男さんの「ぼくの東京全集」に収録の「ちちははの記」のおしまいのくだりか
ら引用です。この文章は「思想の科学」79年6月号に掲載されたものでして、この時の
小沢さんは52歳でありました。
 「死者とのつきあい方を知らない」と記した小沢さんは、その後お墓にかこまれた
谷中の住まいに転居するのですが、当方などはさらに「つきあい方」をしらないこと
であります。