本日も粉作業

 このところ集中的に天然酵母(ホシノ丹沢)を使ったパン作りに取り組んでいます。
できるだけシンプルなパンということで、北海道産の全粒粉にライ麦を混ぜて作るの
ですが、ライ麦の量を多くすると膨らみも悪くなることから、どのくらいの比率がよ
ろしいかと、いまだ試行錯誤であります。
 本日の粉仕事は、このパン作りとアップルパイをつくるための生地作りでありまし
た。パイ生地はバターを折り込んで、冷蔵庫で一晩休ませ、明日の午前に焼き上げる
ことになります。これはこれで忙しいことで。
 そんななか、本日に手にしていた「街道を行く」にあったくだりです。
「日本では、本来自然であるべき大地が、坪あたりの刻み方で投機の対象に化ってし
まっているというのは、元来、生産を中心とするはずの資本主義でさえないのである。
現行の経済社会そのものを自滅させつつあるバケモノのような奇妙な経済意識が日本
人の心と自然を荒廃させたあげく、その異常な基盤のなかから総理大臣の座まで成立
させてしまった。日本は、日本人そのものが身の置きどころがないほどに大地そのも
のを病ませてしまっているのである。・・・
 明治後、Publicという解釈は、国民教育の上で、国権という意味にすりかえられて
きた。義勇奉公とか滅私奉公などということは国家のために死ねということであり、
戦後社会も、土地に関する暴慢な私権の上にのっかってきたため、公という、本来
資本主義社会に当然の観念であるはずのものが、根付かずにこんにちにいたってい
る。」
 書かれたのは1975年頃のことです。すでにこれから40年でありますが、かわらない
どころか、さらに悪くなっているのかもしれません。ここのところの話題は、東京も
大阪も土地をめぐるものでありますし、国民教育を国権という意味にすりかえようと
しているのは、いままさにであります。