スローな話

 インターネット時代になってからは、ほんとうにいろんな局面においてスピードが
求められるようになりました。手紙なども、以前であれば発信して返事が戻ってくる
までに最低でも数日必要でありましたが、ネット上でメールとかラインなどでありま
したら、瞬時にやりとりができるわけですからね。このメールとかのやりとりには、
双方の当事者しかかかわっておりませんので、速いからといって特にどなたかに負担
をかけるということにはなっていませんでしょう。
 それがインターネットを介して商品を購入し、それを入手するとなりましたら、い
やおうなしに品だしする人、梱包する人、発送する人、配達する人と、人が介在しま
す。これを少しでも早くに受け取ろうとすると、どこかに無理がかかるようでありま
す。だいたいにおいて、商品を発送してもらうのに送料を負担しなくともよいという
のは、普通ではないですよね。それが当たり前になったら、その現場で働く人には
たまらないことです。
 今年の春闘(政府と経営者が賃上げを協議することにはあらず)で話題になって
いるものにヤマト運輸荷受け制限のことがあります。これはコストがあわないからと
他社が断った荷物をヤマトが引き受けるがために、べれぼうに荷物が増えて現場が
疲弊しているということから、交渉になっているものです。極めてただしい交渉で
あります。もちろん、そんなんであれば外国人労働者にやらせれば良いという話では
ありません。
 こうした行き過ぎというのを止さなくては、結局はみなが不幸になりそうです。
 当方はもうすこしスローな生活をということで、今週にはいってからのパン作りは
以前からの懸案でありました天然酵母(ホシノ丹沢)を使っての取り組みをすること
となりました。
 この天然酵母Amazonなどでも販売しているのですが、当方が使っている道産小麦
のメーカーさんでも販売していまして、ちょうど全粒粉小麦、ライ麦の残量が少なく
なりましたので、それにあわせて直接購入の手続きをしました。こちらのメーカーは
電話またはFAXでの注文受けということですが、ちょうど当方が電話したのが金曜で
あったこともありまして、翌日発送となりますが、土日は発送作業ができませんの
で、お手もとに届くのは火曜日となりますがそれでよろしいかといわれました。
Amazonでは考えられない対応ですが、これでいいんだよな。消費者は神様ですなんて
いって、消費者に迎合して、ばかな消費者を作り出してはいけないことです。
 ドライイーストを使ってのパン作りでありましたら、こねてから焼き上がりまで、
せいぜい3時間でありますが、天然酵母をつかってでありましたら、酵母から種つく
りに一日、こねて一次発酵に半日、そして焼き上がりまで、また何時間でありまし
て、数日かかりでやっとパンができるとなります。
 こんなスローなパン作りをしていましたら、小麦粉などの材料にはこだわります
が、時間を惜しんでもしょうがありません。
仕事で時間に追われて、行き詰まる人がいるでしょうが、スローにしていけばもっ
と生きやすくなるのではないでしょうかね。