新刊入手せり 2

 昨日に引き続いて小沢信男さんの「私のつづりかた」から話題をいただきです。

小沢さんが小学校に通っていた頃の銀座は、まだまだ大きなビルはほとんどなくて、
普通に人が住んでいたようです。
 小沢さんが住まっていたところは、いまはリクルートのビルになっていると聞いた
ことがあるのですが、リクルートのビルというのは、どこのことかなと思っておりま
した。銀座西八丁目というのは、いまは外堀通りに面しているといわれても、まるで
ぴんときません。
 この「私のつづりかた」を書くにあたって小沢さんは、80年ほど前のつづりかたで
話題となった場所などを、あらためて歩いています。
あとがきには、芸術新聞社のホームページで連載中のこととして、次のようにありで
す。
「昭和十年当時と、平成のこんにちを、月ごとに往復する作業がはじまった。八十年前
の遠足や徒歩会の現場を、あらためて歩いてもみた。小石川植物園代々木八幡宮。」
 それにつづりかたが生まれた小学校へもです。
「いったい何十年ぶりだろう。母校の泰明小学校を訪れた。副校長先生のご案内で全階
を屋上まで、くまなく見学。雨天体操場と上階の講堂を、裏側でつなぐ階段があるなん
て、在学中は知らなかったぜ。なつかしくめずらしく、長生きはするものですなぁ。」
 単行本の編集者から、このつづりかたの「主なる舞台の銀座西八丁目界隈の、当時の
地図を描きなさい、という提案」を受け、これを作成したものが、小沢さんの自筆で
巻末に添えられています。
「思いのほかに処々空白だらけ。」とありますが、この地図があるとないとでは、まる
で違いますね。
 東京に長くお住まいの方でも、80年前の銀座西八丁目界隈のことなど、ご存知ないで
しょう。そして、この地図こそはWEB連載の時にはなかったもので、これは大いに楽し
んで拝見でありました。
 現在のマップとこれを重ねてみて、いまも当時の屋号で残っているのはどこだろうと
いうような興味からマップと小沢さん作図の小さな市街図を見較べていました。
 そういえば、現在店頭にならんでいる「サンデー毎日」3月6日号のインタビューペー
ジに小沢さんが「俳句世がたり」の著者として登場しています。聞き手は南陀楼綾繁
さんであります。当方の地域は、いまだ店頭にでていないのですが、ありがたきかな
知人がネットで購読している雑誌のページから見せてくれました。
俳句世がたり (岩波新書)

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