季節は冬に

 関西から戻りましたら、一気に季節は冬となっていました。
昨日の関西が暖かかったせいもあるのですが(昨日は、こちらもすこし暖かであった
ようです)、本日は気温が上がらずで朝夕はしっかりストーブをつけていました。
留守中の花の世話をお願いしていたところにもらいうけにいったり、家のなかの仕事
をしたりしているうちに、一日が終わりとなりました。
 朝から読んだ本は、「父西條八十」の残り30ページほどでしょうか。この本には
有名無名の多くの詩人が登場して、当方にはほとんどなじみのない、その名前を見て
その方のエピソードに触れるだけでも楽しいものでありました。
 たとえば三木露風に関しての次のようなところ。
「父は北原白秋と同時に三木露風を崇拝していた。思えば露風氏は不幸な詩人であっ
た。灰野庄平氏とともに父の信濃町の家へ『未来』の同人に勧誘にきてからの知り合い
であったが、幻想詩『白き手の猟人』を発刊し、『幻の田園』で詩才が絶頂に達した
感があった。まもなく露風氏はいかなる心境の変化か、北海道のトラピストに単身入っ
た。やがて精神錯乱したのか、かのすばらしい詩才がまったくきらめきを失ってしまっ
た。その一つの例に父がある雑誌の選をしていると三木露風氏が投書してきた。父は
驚き、ただならぬ人生の逆転を感じて、編集の人にたのみ、別の方法で丁重にあつかっ
てもらった。」
 三木露風の詩については、ほとんど知るところがなしですが、富士正晴さんがまとめ
た「竹内勝太郎の形成」には、三木露風さんのトラピスト時代の書簡が収録されていて、
そのこともあって、気になっております。これを機会に、「竹内勝太郎の形成」の三木
露風さんからの手紙をのぞいてみようかしらん。
 それにしても、自ら「子ばか」という娘さんであっても、次から次へと現れる父のつ
いてページを割かないわけにはいかないのでありますからして、西條八十と女性の関わ
りについて、書いたが存在すれば、それはとんでもない話となるでしょうね。