新刊入手せり

 先日のクラス会にあわせて本屋に立ち寄り、坪内祐三さんの「文庫本宝船」を無事に
入手しました。これの話題は、ちょっとあとまわしにして、まずは本日の新聞広告を
みてこれは逃せないと思ったものについてです。
 それは、次のものであります。

群像 2016年 10 月号 [雑誌]

群像 2016年 10 月号 [雑誌]

 新聞広告には、「群像」創刊70周年記念号とあり、永久保存版「群像短編名作選」
となっています。いつもの号よりは値段は高く1500円ですが、ほんと永久保存というの
がわかります。これまでの「群像」に掲載の「短編」から、選び抜かれた作品を一冊に
しているとのこと。この記念号に掲載作品の一覧が広告にはのっていますが、贅沢な
アンソロジーでして、これが講談社文芸文庫で刊行でありましたら、いったいいくらの
値付けになるのだ(というかそもそも一冊ではおさまらない)と思ってしまいました。
 これまでも、こうした企画特集はありましたですね。当方が保存しているものには、
文庫本で読むことができない小説をあつめたものとか、知られざる名作(?)という
ものをまとめたものがあったのではないかな。(比較的すぐに確認できるはずですが、
この時点では未確認で、記憶で記しています。)
 今回の短編名作選には、54篇(のはずですが)の作品が収録です。作品リストは広告
に三段にわけて掲載されていますが、一番最初が三島由紀夫「岬にての物語」」で、
次が太宰「トカトントン」、そして原民喜「鎮魂歌」となっていますので、これは掲載
順であるのでしょうか。
 当方が読んだことのある作品、作者は一段目が一番多く、ついで二段目、時代が新し
くなるだろうと思われる三段目が一番なじみが薄くなっています。ここにある作品で、
間違いなく「群像」掲載の時、初出で読んだと思われるのは、丸谷才一さんの「樹影
譚」でしょうか。
 そう思って、丸谷才一さんの全集を確認をしたら、「樹影譚」は初出「群像」1987年
4月号とでていました。当方が東京目黒区で暮らしていた頃に雑誌掲載で、これを書店
で購入し、そのあと単行本を仕事場近くの本屋で買いましたら、そのあと目黒駅ビルに
はいっていた本屋に、「樹影譚」(単行本は文藝春秋社)が積まれいて、これは丸谷さ
んのサインが入っていました。当方は、重複して購入することはなかったのですが、
そういえば、駅ビルの本屋といえば、丸谷さんのさんま坂の住まいから一番近い本屋
さんでありましたから、お付き合いがあったのでありましょう。
 ということで、本日は「文庫本宝船」の話にはなりませんでした。