ここしばらく小説といえば野呂邦暢さんの小説集成第7巻を読んでおりました。
- 作者: 野呂邦暢,豊田健次,坪内祐三
- 出版社/メーカー: 文遊社
- 発売日: 2016/05/30
- メディア: 単行本
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てしまったのですが、文庫本で購入をしておりました。当方の手元にある文庫本では、
ぶっちぎりの高額でありまして、そのせいではないでしょうが、これまで積読状態で
ありました。今回、小説集成に収録となったのを機に、まったく遅ればせで、この作品
を読むことができました。この巻は、既刊分の小説集成のなかでは一番手にしているか
もしれません。ジュニア向け小説というのが、当方の現在の状況にあっているのでしょ
う。
ここしばらくといえば、本当にお天気がぱっとしませんでした。今年の関東地方は
空梅雨とかいわれていましたが、こちらは太平洋の影響を受けるエゾ梅雨ともいうべ
きもので、ややしばらく太陽が顔をみせませんでした。日本海の影響を受ける地域は
この時期、好天が続くのですが、こちらは海霧がかかって、気温は上がらず、曇天と
なります。朝のうち、晴れているなと思っていたらどんどんと海から霧が入り込んで
来て、見通しがきかなくなります。
そういえば「海霧」の季節だよなと思っていましたら、先日にこれをタイトルとし
た小説を購入したことを思いだしました。
- 作者: 加賀乙彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/06
- メディア: 文庫
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この「海霧」の舞台もほぼ同じ湿原地方であります。
文庫カバーには、「失恋の痛みを忘れるために喧噪の東京を離れ、北海道の東の果
て、森と湿原と海に囲まれた病院勤務した」とありました。当方の住むあたりも「森
と湿原と海に囲まれた」という土地柄は共通しています。この作品は「純愛を描く」
ものとありますが、当方の関心は、海から湿原に入り込んでくる白濁の霧の情景描写
にありです。いったいこの作品には、そういうところがあるのでしょうか。