「山猫忌」 2

 今年の「山猫忌」では、この一年くらいで眼にした長谷川四郎さん関係のものを
話題とすることにしています。
 四郎さん関連については、その都度話題としているせいもあって、すでにこの場
で取り上げでしまっていますが、その一つは、山田稔さんの「天野さんの傘」に収録
されている「長谷川さんの葉書」という文章から触発されたものでした。

天野さんの傘

天野さんの傘

 山田稔さんの文章を拝見して、当方がいただいた長谷川四郎さんからの葉書を改め
て手にして、しばらく楽しんでおりました。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20151226 )
 山田稔さんのところにあった長谷川さんからの葉書(現物)は小沢信男さん経由
で、四郎全集の編集者である福島紀幸さんのところに届けたとのことですが、当方の
手元に届いた長谷川さんの葉書(ただしコピー)は、同じようにして福島紀幸さんに
見ていただくことといたしました。
 このうちで最後にいただいた葉書は、消印が1980年1月11日となりますが、福島紀幸
さんによると、これはほとんど長谷川さんが自分で書かれた最後のものに近いとのこと
でありました。

 この時の、長谷川さんは脳梗塞のために身体が不自由になっていて、原稿は奥様への
口述であったとありますから、この一枚の葉書を書くために長谷川さんは思うように
動かない身体でペンを握っていたことになります。
 それを思うと本当にありがたい葉書です。